2020 Fiscal Year Research-status Report
難治性網膜疾患の病態解明・新規治療薬開発に向けたカルパイン生体眼内イメージング
Project/Area Number |
20K09822
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
國方 彦志 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40361092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 網膜細胞死 / 生体内イメージング / 網膜疾患動物モデル / 網膜神経節細胞 / カルパイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトの様々な網膜疾患における活性化カルパインの関与を明らかにし、カルパイン阻害薬SJP-0008の様々な網膜疾患への開発の適応拡大を目指すために、活性化カルパインの生体内イメージングシステムを網膜疾患動物モデルを用いて確立することを目的としている。 令和2年度では、レーザー照射による網膜動脈閉塞モデルにおいて、カルパイン活性検出蛍光プローブAc-LM-HMRGを硝子体内投与し、カルパインが活性化した網膜細胞で生じるHMRGの蛍光を共焦点走査型ダイオードレーザー検眼鏡(SLO)で生体内イメージングを行った。その結果、網膜虚血に伴うカルパインの活性化が生じることが生体内イメージングで確認された。また、同じ網膜虚血領域において、網膜細胞死が生じていることも網膜細胞死の生体内イメージングにおいて確認された。 また、ぶどう膜炎モデルはLPSの腹腔内投与によって作成した。LPS単回投与によるぶどう膜炎誘導後、カルパイン活性検出蛍光プローブAc-LM-HMRGを硝子体内投与し、共焦点走査型ダイオードレーザー検眼鏡(SLO)で生体内イメージングを行った。その結果、少量のカルパインが活性化した網膜細胞が認められた。また網膜細胞死の生体内イメージングでも網膜死細胞が少量認められることが明らかとなった。 そのため、LPSを複数回投与し、十分な眼炎症を誘導し、本研究で適切なレベルの網膜障害が生じる手法を検討中である。 さらに、その他の網膜疾患モデルでのカルパイン活性化の評価も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2~3年度においては、CNV、RAO、RVO、ぶどう膜炎、虚血性視神経症等の網膜疾患動物モデルに、複数の時点でカルパイン活性検出蛍光プローブAc-LM-HMRGを硝子体内投与し、カルパインが活性化した網膜細胞で生じるHMRGの蛍光を共焦点走査型ダイオードレーザー検眼鏡(SLO)で生体内イメージングを行い、その細胞数を計測することを計画している。その中で、RAOとぶどう膜炎についての実験は、順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
LPSの腹腔内投与によって作成したぶどう膜炎モデルでは、少量のカルパインが活性化した網膜細胞が認められ、また網膜細胞死の生体内イメージングでも網膜死細胞が少量認められることが明らかとなったに留まっている。よって、LPSを複数回投与し、十分な眼炎症を誘導し、本研究で適切なレベルの網膜障害が生じる手法を検討中である。 さらに、その他の網膜疾患モデルでのカルパイン活性化の評価も検討中である。
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Causes of Carryover |
本年度は使用額が抑えられたが、次年度使用する予定があり、繰り越すこととなった。
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