2021 Fiscal Year Research-status Report
皮下脂肪組織由来誘導性血小板成長因子を用いたパーソナル治療薬開発
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20K09852
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
矢澤 真樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60327567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 泰昌 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (00296708)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
血小板には、止血・凝固作用に加え、含有する複数の成長因子による創傷治癒促進作用がある。本研究では、皮下脂肪組織由来誘導性血小板を第一種再生医療等技術として臨床応用するプロトコールの策定、安全性の検証、治験時評価基準の確立を行い、治験前最終準備とする。創傷治療剤として治験に向けた評価基準について、現在、創傷治癒の効果判定では、マンチェスター・スカー・スケールなどが用いられているが、いずれも匿名化したサンプルを専門医が感覚的にスコア化したものであり、定量化したものでない上に、客観性・再現性の面では不十分である。そこで、主観を可能な限り排除した評価方法の確立をし、治験時の評価基準に組み込むことを目的として、光学機器(イルミスキャン)を借り受け、ヒトを対象にした臨床研究として、倫理委員会の承認(承認番号 20170408 研究責任者 矢澤真樹:創傷における治癒過程の評価方法に関する検討)を得た。創傷の状態をなるべく統一するために、対象とする創傷を採皮創に限ったため、植皮手術の多い関連施設においても症例を対象とできるように、関連施設でも倫理委員会の承認を得た。現在では、32名がエントリーし、データ収集・解析中である。予備検討では創傷治癒過程を客観的に数値化できる手ごたえを得ている。 また、第一種再生医療等技術として治験を行う際には、健常人由来細胞をソースとする皮下脂肪組織由来誘導性血小板が望ましいため、ヒトを対象にした臨床研究として、倫理委員会の承認(承認番号 20170059 研究責任者 矢澤真樹:皮下脂肪組織からの血小板様細胞の作成に関する検討)を取得し、健常人から脂肪組織を提供していただき検証している。この臨床研究については、現在5名がエントリーし、データ収集・解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究連携施設となった済生会中央病院において、2020年に15例、2021年に17例のエントリーを得て、採皮創のデジタルカメラ写真とイルミスキャンによるデータを収集済みである。現在も新規エントリーを受け付けているが、新型コロナの影響で、出だしが悪かった影響があり、症例数はまだ不足している。一方で、現在得られている累計32例のデータをもとに、傾向をつかむため、解析を開始しているが、解析結果は5月に出る予定である。これによりある程度のデータの有用性の判断ができると考えている。一方、健常者からの脂肪提供は、2名までは順調だったが、伸び悩んでおり、現在は5例集められている状況である。また、動物実験は、新型コロナの影響できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在得られているデータの解析結果から、今後の症例収集について、エンドポイントの検討を行い、本研究の妥当性が得られれば、解析結果を学会、論文として発表予定である。また、動物実験は、新型コロナの影響を見て検討する。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、臨床における手術が例年通りに行われていなかったため臨床研究(採皮創からデータ収集)の適応症例が十分に確保できずデータ収集が遅れている。現在、すでに収集できたデータを解析に回しているが、未だ学会や論文で発表できる段階になかったため、次年度使用額が生じている。これと並行して、従来からあるマンチェスタースカースケールとの比較や優位性などを検討していく。 一方、健常者からの脂肪提供も、候補者の確保に影響を受けており、さらに募集をかけながら、6例目の脂肪提供者を待っている状況である。こちらに関しても現在集まっている5検体の解析を進める。また、動物実験は、新型コロナの影響を見て検討中である。
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