2021 Fiscal Year Research-status Report
口唇口蓋裂に対する自己多血小板血漿を用いた顎裂骨形成法の開発
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20K09857
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Research Institution | Kanagawa Children's Medical Center (Clinical Research Institute) |
Principal Investigator |
小林 眞司 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (90464536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 和則 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 医長 (40351621)
田中 祐吉 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センター(臨床研究所), 臨床研究所, 臨床研究所長 (50420691)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多血小板血漿 / 多血小板フィブリン / 唇顎口蓋裂 / 歯肉粘骨膜形成術 |
Outline of Annual Research Achievements |
唇顎口蓋裂患児に対する乳幼児期の歯肉粘骨膜形成術は、顎裂部に骨を形成させる手技であるが、広い顎裂部では十分に骨形成ができないために顎裂部への骨形成を促進する移植材料の必要性が高まってきた。移植材料の中でも多血小板血漿/フィブリン(platelet rich plasma/fibrin:PRP/F)は、血小板のα顆粒に含まれているサイトカインを脱顆粒させることで皮膚や骨組織に関して治癒促進効果が期待される。 臨床的には、再生医療等安全性確保法下に「PRP/Fによる再生医療」を安全に行っている。 PRP/Fを移植した片側唇顎裂患児に対して、顎裂部のCT評価を行った。PRP/Fを移植した口唇顎裂70例(連続症例)中50例(71.4%)に5才時に撮影されたCTの結果から十分な顎裂部骨量が認められ、2次的顎裂部骨移植術(secondary alveolar bone grafting:SABG)が不要となった。SABGが不要となった内訳はPRP移植群:20/33 (60.6%)、PRF移植群:30/37(81.1%)、であり、統計学上有意にPRF移植群の方が高かった。以上より、PRFの有効性が示された。 基礎的には、ヌードラットの上顎の門歯-犬歯間に5x2.5x1mmの骨欠損を作製し、PRP+ゼラチンハイドロゲルシート移植を行っている。評価は、microCT Rm_CT2 (Rigaku corporation, Tokyo, Japan) を用いて撮影された画像を、医療画像ワークステーション 3D slicerにて解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PRP/Fに関しては、臨床・基礎(in vitro/in vivo)ともに順調である。臨床的には、再生医療等安全性確保法下にPRFの移植を継続する予定である。基礎的には、マイクロCTを用いてPRP移植を行ったT細胞機能欠如ラットの顎裂部の検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床的にはPRFが有効であった。PRPはin vitroでは骨への促進作用が認められたが、臨床的には有意性を見出せなかった。この原因は、PRPが移植後すぐに流出して長時間移植部位に留まらないためであり、PRPを移植部位になるべく長期間留まらせPRPの効果を持続させる必要があると考えられた。これを解決するためにPRPの徐放化システムの確立は急務であると思われ、新規徐放化材料にPRPを含有させた移植実験を継続する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で動物実験センターでの移植実験が遅滞したため。本年度はヌードラット及び培養のための試薬などを購入予定である。
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