2022 Fiscal Year Research-status Report
皮膚創傷治癒における基底膜コラーゲンの機能解析と治療応用のための基盤的研究
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20K09867
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30304299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百田 龍輔 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80263557)
稲川 喜一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90268615) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 皮膚 / 創傷治癒 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は創傷後の表皮形成に重要な細胞外マトリックスの役割を調べ、治癒を促す分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。細胞外マトリックスを構成する成分は質的にも量的にも創傷の治癒過程で変化することが知られており、その変化は治癒に有効あるいは不利な細胞外環境であると考えられ、細胞の応答を制御すると考えられる。我々は創傷部の周囲にスプリントを取り付けることによって、治癒の過程を再現性良く詳細な解析が可能となるマウス創傷治癒モデルを作製した。モデルの確立には過去の論文を参考にしたが、いくつかの改良を加えている。このマウス皮膚創傷治癒モデルを用いた実験から、再生する表皮の先端部にかなり早期に出現する細胞外マトリックス成分に着目した。早期の発現が認められたXVIII型コラーゲンは、これまでの様々な研究から特徴的な分子構造を持ち多機能性が示唆されているが、皮膚創傷治癒での役割については十分に解明されていない。2022年度は遺伝子改変マウスと野生型マウスを用いて創傷治癒モデルを作製し、免疫組織化学染色や定量的PCR、透過型電子顕微鏡によって、創傷治癒過程における経時的な変化を調べ、XVIII型コラーゲンの役割について解析を行った。さらに、マウスから表皮角化細胞を初代培養し、網羅的な遺伝子発現解析を昨年に引き続き行った。また、確立したXVIII型コラーゲン安定発現株を用いて十分な量のリコンビナントタンパク質を作製できるよう検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスを用いた皮膚創傷治癒モデルの解析に時間を要した。また遺伝子発現解析も継続中であり、予想以上に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
マウスを用いた皮膚創傷治癒モデルの解析に時間を要している。また遺伝子発現解析も継続中であるため、研究期間を延長し、継続中の解析に引き続き取り組む。また、これまでの成果をとりまとめ、成果発表に向けて追加の解析などにも取り組む。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた皮膚創傷治癒モデルの解析に時間を要した。また遺伝子発現解析においても、予想以上に時間を要し、継続中であるため。
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Research Products
(2 results)