2021 Fiscal Year Research-status Report
細胞外微小環境の制御による次世代のリンパ節移植術の開発
Project/Area Number |
20K09874
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
古川 洋志 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00399924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 真美 (茂利真美) 愛知医科大学, 医学部, 助教 (00634156)
石川 早紀 愛知医科大学, 医学部, 助教 (20768915) [Withdrawn]
有沢 宏貴 愛知医科大学, 医学部, 助教 (50850707)
安村 恒央 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60436607) [Withdrawn]
渡辺 秀人 愛知医科大学, 付置研究所, 教授 (90240514)
梅本 泰孝 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90465526)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンパ節移植 / 細胞外基質 / リンパ浮腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ浮腫に対して近年リンパ節移植術が導入されている。良好な成績が報告されているが、スーパーマイクロサージャリーの技術による血管吻合やリンパ管が必要であるため、広く普及していない。血管吻合やリンパ管吻合を省略してリンパ節を移植すると、リンパ節と移植周囲の血管・リンパ管との再開通は、移植床からの血管新生・リンパ管新生に依存する。本研究では、プロテオグリカン等の細胞外マトリックス分子、血管内皮・リンパ管内皮細胞増殖因子、リンパ節ストローマ細胞の付加により、移植床と移植リンパ節内と周囲の細胞外微小環境を制御し、移植片からの細胞の接着、遊走の促進、瘢痕抑制、血管新生・リンパ管新生をはかる、血管・リンパ管吻合を必要としない次世代のリンパ節移植術の確立をはかる。 全身麻酔下に、ラットの足底からのリンパ流をうける鼠径リンパ節について、Group 1:シャム手術群(control)、Group 2:片側の膝窩リンパ節の切除を行う群、Group 3: 片側の鼠径リンパ節の摘出後、再度即時に摘出部位に移植する群、を作成する。血管吻合やリンパ管吻合は行わず、リンパ節摘出に際しては、顕微鏡下でリンパ管の2%パテントブルー10 μlの足底注射による同定を行う。 循環機能の評価:蛍光標識デキストランの集積(10 mg/mL の蛍光デキストラン10 μl を足底に注射)、ラットの一部を2,3,4週後に全身麻酔下にリンパ節を採取して、リンパ節周囲ないし移植リンパ節内部への取り込みを蛍光色素の分布で観察する。 移植リンパ節の構造の観察:HE染色、LYVE-1(リンパ管内皮細胞), VWF(血管内皮細胞), CD3(T細胞), B220(B細胞), Verhoeff’s elastic stain(弾性繊維)、MECA-79(高内皮細胞) の免疫染色を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初マウスで実施していたが、リンパ節移植術後の侵襲により個体の死亡が多く、ラットに変更して改めて研究を開始したところ、比較的安定して術後リンパ節を再手術で回収することができるようになった。移植したリンパ節は2-4週間で回収したところ、HE染色では壊死の所見を認めたが、回収時のパテントグリーン染色で染色される個体もあったことから、壊死になってもリンパ液を流すための構造と機能は保っている可能性があると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
全身麻酔下に、ラットの足底からのリンパ流をうける鼠径リンパ節について、Group 1:シャム手術群(control)、Group 2:片側の膝窩リンパ節の切除を行う群、Group 3: 片側の鼠径リンパ節の摘出後、再度即時に摘出部位に移植する群、を作成する。血管吻合やリンパ管吻合は行わず、リンパ節摘出に際しては、顕微鏡下でリンパ管の2%パテントブルー10 μlの足底注射による同定を行う。 循環機能の評価:蛍光標識デキストランの集積(10 mg/mL の蛍光デキストラン10 μl を足底に注射)、ラットの一部を2,3,4週後に全身麻酔下にリンパ節を採取して、リンパ節周囲ないし移植リンパ節内部への取り込みを蛍光色素の分布で観察する。 移植リンパ節の構造の観察:HE染色、LYVE-1(リンパ管内皮細胞), VWF(血管内皮細胞), CD3(T細胞), B220(B細胞), Verhoeff’s elastic stain(弾性繊維)、MECA-79(高内皮細胞) の免疫染色を行う。
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Causes of Carryover |
研究計画の実施にあたり、動物の腫の変更などの、変更が生じたため、実験の遂行事態が遅れているため。
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