2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト褐色脂肪の新規代謝調節機構の解明~光非依存的なOpsin3の役割~
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20K09887
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 真理 北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (40546488)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Opn3-KOヒト褐色脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR/Cas9 systemによってOpn3-KOヒト褐色脂肪細胞を3種類のguide RNAを用いて作成した(sg1-, sg2-, sg3-Opn3-KO cell)。このOpn3-KOヒト褐色脂肪細胞と野生型ヒト褐色脂肪細胞を用いて、RNA-seq解析を行ったところ種々の遺伝子変動が認められている、ミトコンドリア活性、脂質合成、脂質分解、糖取り込みの機能を調べるための実験・解析を行った。まず、KO細胞のOpn3のゲノム変異の部位および頻度を確認し、さらにOpn3タンパク発現の減少を確認した。Opn3タンパク発現が最も低下していたsg1-Opn3-KO cellsを用いて褐色脂肪細胞機能マーカーであるucp1, PGC1a, Dio2の遺伝子発現を確認したところ、発現増加傾向にあった。さらに、タンパク測定を行ったろころ、ucp1, PRDM16, Glut1タンパクのの発現増加が見られた。このことからOpn3-KOにより褐色脂肪細胞の機能が活性化されている可能性が示唆される。さらに、これらのKO細胞は様々な遺伝子変異が入っている種々の細胞の集団であるため、クローン細胞を9種類樹立した。これらを用いて脂肪細胞分化能を確認後、機能解析実験を行う。さらに、Opn3-KOヒト褐色脂肪細胞にOpn3を過剰発現させるレスキュー実験に用いるためのヒトOpn3発現プラスミドを作成した。これを用いたOpn3-KOヒト褐色脂肪細胞への遺伝子導入およびstable発現株の作成に向けた準備を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染拡大防止措置により、大学・研究室への立ち入り制限および研究活動制限があり実験可能時間が減少したため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、Opn3-KOヒト褐色脂肪細胞の機能解析実験を進める。具体的には糖取り込み測定実験、脂肪溶解実験、cAMP活性測定実験、ミトコンドリア活性測定実験である。また、Opn3-KOヒト褐色脂肪細胞のクローン株を作成したので、脂肪細胞分化能を測定後遺伝子発現解析および機能解析実験を行う。さらに、Opn3-KOヒト褐色脂肪細胞にOpn3を過剰発現させるレスキュー実験を行い遺伝子発現および機能変化が回復されるかを確認する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染拡大のため、国内および海外の学術集会がオンライン開催となり出張旅費が不要となった。また、研究室への立ち入り制限のため実験可能時間が減少したため実験に使用する試薬・消耗品の購入が減った。これらを次年度使用分とする。
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