2020 Fiscal Year Research-status Report
骨に必須のマスター遺伝子を制御する核内分子G9aの増殖・分化調節メカニズム
Project/Area Number |
20K09897
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
出野 尚 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40435699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
小松 浩一郎 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (60153665)
中島 和久 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90252692)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 細胞増殖 / G9a / Runx2 / NFATc1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、メチル化酵素G9aによる細胞系譜特異的マスター遺伝子の機能を調節する仕組みを、骨代謝を担う骨芽細胞(Runx2)ならびに破骨細胞(NFATc1)を用いて明らかにすることを目的としている。 これまでに骨芽細胞のクロマチンに対する抗Runx2抗体および抗G9a抗体を用いたクロマチン免疫沈降(ChIP)解析の実験条件は確立していたため、2020年度は、破骨細胞のクロマチンに対する抗NFATc1抗体を用いたChIP解析の条件検討をおこなった。骨髄細胞(BMCs)由来の破骨細胞のクロマチンが大量に必要であると考え、まずは通常の培養スケール(48ウェルプレート)からスケールアップさせても同程度の分化効率が維持できるかどうか調べた。その結果、6ウェルプレートであれば分化効率を同程度にすることができたが、その後におこなった抽出クロマチンに対するChIP解析で、我々が用いた抗NFATc1抗体に対するクロマチン量が大量に必要であることが判明したため、別の抗体の検討、ChIP用サンプリングのための培養スケールの再検討が必要である。次に、基礎的データではG9aとRunx2が核分画での直接結合が認められていたため、G9aとNFATc1が直接結合するか否かを調べた。G9aとNFATc1を共発現した293細胞の核分画を用いて抗G9a抗体によるco-IPをおこなったところ、G9aとNFATc1の結合は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、研究活動の実施、物品の購入が少なからず影響を受けたためやや遅れている。具体的には、骨髄細胞(BMCs)由来の破骨細胞のクロマチンによるChIP解析に用いる抗NFATc1抗体の検討ならびにChIP用サンプリングのための培養スケールの再検討が必要となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
破骨細胞については基礎的な実験条件検討に注力し、骨芽細胞についてはクロマチンを用いたChIP-re-ChIPの検討を進めて、ゲノム上におけるG9a、Runx2、H3K9me2の集積を増殖段階、分化段階と分けた解析を進める。また、本研究ではG9aの機能阻害化合物のマウス投与を計画している。このような化合物は新規のものの報告も続いていることから、情報検索ならびにin vitroで細胞を用いた検討の予定を前倒しして進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大による物品購入の遅延が多発したため、購入計画が予定通りに進まず次年度使用が生じることになった。次年度はChIP-re-ChIPなどの詳細な解析が必要とされる実験が増えるため、そこに使用する試薬購入にあてる。
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