2022 Fiscal Year Research-status Report
骨に必須のマスター遺伝子を制御する核内分子G9aの増殖・分化調節メカニズム
Project/Area Number |
20K09897
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
出野 尚 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40435699)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
小松 浩一郎 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (60153665)
中島 和久 鶴見大学, 歯学部, 講師 (90252692)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / G9a / Runx2 / NFATc1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、メチル化酵素G9aによる細胞系譜特異的マスター遺伝子の機能を調節する仕組み、骨代謝を担う骨芽細胞(Runx2)ならびに破骨細胞(NFATc1)を用いて明らかにすることを目的としている。 2020年度は、破骨細胞のクロマチンに対する抗NFATc1抗体を用いたChIP解析にはクロマチン量が大量に必要である事、G9aはRunx2と核分画での直接結合が認められた一方で、NFATc1とのが直接結合は認められない事が明らかにできた。 2021年度は、破骨細胞のクロマチンに対する抗NFATc1抗体を用いたChIPをスモールスケールの実験系、RAW細胞を破骨細胞へ安定的に分化させる実験系が確立できた。また、G9aの機能阻害化合物によるH3K9me2修飾の減衰を認めない骨芽細胞が存在する事が明らかにできた。 2022年度は、①RAW細胞から分化させた破骨細胞のクロマチンと骨髄細胞(BMCs)から分化させた破骨細胞のクロマチンの両方をソースとして抗NFATc1抗体を用いたChIP解析をおこなった。結合部位、分化段階による濃縮具合、はどちらの細胞でも同じ結果が得られ、培養スケールアップが容易なRAW細胞の使用が期待でき、以降の検討をRAW細胞でおこなった。②G9aの機能阻害化合物を作用させたRAW細胞の破骨細胞分化の効率を調べた。H3K9me2修飾の減衰を認めたものの、多核の破骨細胞の出現が顕著に抑制されたことから分化を抑制する事が分かった。③siRNAを用いてG9aのノックダウンをおこなったRAW細胞の破骨細胞分化の効率を調べた。H3K9me2修飾の減衰を認めたものの、多核の破骨細胞の出現が顕著に抑制されたが、実験条件を検討したところしsiRNA導入試薬単独で分化を抑制する事が明らかとなり、siRNAを用いる実験系は引き続き検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は教育業務の負担が増加した影響で研究活動の遅延が生じてしまった。RAW細胞をソースとして使える事が明らかに出来たが、化合物およびsiRNAを用いたG9aの機能阻害による破骨細胞分化の条件検討と解析にも時間を要してしまった。また、G9a flox/floxの初代培養細胞を作出するためのマウスを得る交配がスムーズに進まなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
化合物やsiRNAを用いたG9a機能欠損を株化細胞で検討を進めているが、結果が芳しくない。最終年度は、G9a flox/floxマウスの作出に向けた交配が進みつつあるので、初代培養細胞を用いて骨芽細胞および破骨細胞の分化系で抗Runx2抗体、抗Ga9抗体、抗NFATc1抗体を用いたChIP解析をおこなうことで本研究の目的の一部を完遂することを目指す。
|
Causes of Carryover |
2022年度は教育業務の負担が増加した影響で研究活動の遅延が生じてしまった。化合物およびsiRNAを用いたG9aの機能阻害による破骨細胞分化の条件検討と解析にも時間を要してしまった。また、G9a flox/floxの初代培養細胞を作出するためのマウスを得る交配がスムーズに進まなかった。マウスの作出の目途が立ってきたため、初代培養細胞の作出とそれを用いたChIP解析等に使用する試薬購入に充てる。
|
Research Products
(1 results)