2021 Fiscal Year Research-status Report
唾液中の可溶性分子を用いたシェーグレン症候群の病因解析と新たな診断方法の開発
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20K09910
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (70615799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / エクソソーム / mRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群の診断には血液検査を用いているが、唾液量測定の検査も行っておりその唾液を用いた非侵襲的な検査の確率を目指している。昨年度は唾液、血液からエクソソームを分離し、そのエクソソーム内のmiRNAに着目し、実験に使用できるかを検証した。そこで、本年度はその採取したmRNAを血液、唾液でそれぞれで解析し、疾患群・健常者群で比較し、疾患特異的な遺伝子の有無をまず検索した。 さきに、唾液採取に際して、うがい液と唾液での検体採取法の決定のために両者での比較を行ったところ、唾液、うがい液それぞれでエクソソームの検出を確認でき、かつmRNAの純度に差は認めず、血液や唾液サンプルと同様にうがい液からもエクソソームに内包されるmiRNAの発現が確認された。 そこで、マイクロアレイにて疾患群のうがい液と健常者群のうがい液とを比較したところ、いくつか差がある遺伝子を認めたため、口唇腺の免疫染色にて局在を確認したが、不安定であった。また、候補遺伝子の患者間の差も検証しているが、サンプル間(うがい液、唾液、血液)の解析もすすめている。その結果によっては、今後検査法として実用化するにあたり適切なサンプル採取法を選択できるものと考えている。現在は、さらに症例数を増やし、バリデーションを行う計画をたてている。また、このマイクロアレイにはうがい液から採取した検体を用いたが、血清や唾液との比較も同時に行う予定といしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響もあり来院患者数が減少し、サンプル採取が思うように進まなかったこと、学会等へ参加する機会がへり情報収集が不十分となったことが影響と考えている。 また、候補遺伝子の局在を確認する際に口唇腺生検にて採取した口唇腺を用いた組織での免疫染色を利用しているが、組織が小さく複数回の実験にむかず、途中から血清をもちいたフローサイトへ変更したことも要因と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
サンプル数を増やし、バリデーションを行う。また候補遺伝子の機能解析へとすすみ病態との関連を明らかにするために、培養なども検討する予定としている。 同時に、診断能の評価のために、血清、うがい液ともに検体を集め検証が必要と考えている。
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Causes of Carryover |
コロナの影響もあり、学会参加などがなかなか叶わず、検体採取にも支障をきたしたため実験用の試薬等の使用頻度が減ったことで物品の追加購入などが不要であったことが原因と考える。社会事情も変化してきているため、それに伴い研究を遂行するために昨年度計画していて実施できなかったことをおこなっていく予定である
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