2022 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中の可溶性分子を用いたシェーグレン症候群の病因解析と新たな診断方法の開発
Project/Area Number |
20K09910
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田中 昭彦 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (70615799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅文 九州大学, 歯学研究院, 助教 (20452774)
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / miRNA / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群(SS)の診断には血液検査、組織検査が主な検査方法だが、非侵襲性の検査法の確立を目標とした。 そこで、SSの新たなバイオマーカーとしてとして、エキソソーム由来の microRNA (miRNA) に着目し、12のmiRNAをバイオマーカー候補として特定した。そのうち、2つのmiRNAの発現率特に、対照群と比較して SS 群で有意に増加していることを多変量解析で確認できた。その2つのmiRNAを組み合わせた回帰式を見出し、SS診断のための「miRNAインデックス」を算出(ロジスティック回帰分析により)ROC曲線にて求めたカットオフ値(0.43)を診断指標にしたところ、感度:91.7%、特異度:83.3%、陽性的中率:84.6%、陰性的中率:90.9%となり、高い診断力を有していた。 前述のインデックスは既存のマーカーである抗SS-A/B抗体、抗核抗体と比較しても同等の診断能を有していると考えているが、SSに特化した診断能なのか、口腔乾燥症等やその他の自己免疫疾患にも応用できるかは今後の課題としたい。 今回は検体にうがい液を用いたが、うがい液は、分泌されている少量の唾液や剥離した口腔細胞を採取することができ、口腔乾燥症状のあるシェーグレン症候群患者でも、簡便に検体の採取が可能である。既存の検査法である血液や唾液腺組織との比較も今後は必要であると考えている。
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Research Products
(1 results)