2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原因菌の病原性因子及び挿入配列を制御するsmall RNAの解析
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20K09922
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大貝 悠一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40511259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 匡宣 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90444497)
小松澤 均 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90253088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | small RNA / 歯周病原因菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
Aggregatibacter actinomycetemcomitansのsmall RNA発現性の解析を目的とし、2成分制御系の欠損株作製を行った。2成分制御系因子は細菌特有の遺伝子発現制御系であり、菌体表層のセンサータンパクにより外環境の変化を感知し、細胞質内のレギュレータータンパクをリン酸化し、様々な遺伝子の発現制御を行う。他細菌において、2成分制御系がsmall RNAの発現制御を行う例も知られていることから、本菌においても検討を行う。これまでにAggregatibacter actinomycetemcomitans ATCC29523, NUM4039株などにおいて見られる2成分制御系の欠損株を各3株作製している。今後、それらの欠損株において発現変動を示すsmall RNAを個別に解析する。 Fusobacteirum nucleatumは歯周病原因菌の一つである。本菌は他細菌と結合する(共凝集)ことにより、口腔内のプラーク成熟に重要な役割を持つと考えられている。当研究では本菌にも着目し、small RNAを介した遺伝子発現制御に関わるHfqタンパクやその他2成分制御系などのレギュレーターの遺伝子欠損株の作製を検討している。本菌における遺伝子欠損はATCC 23726株において報告がある。これまでにクロラムフェニコール耐性遺伝子を挿入させる手法により、他細菌との共凝集に関与する表層タンパクの欠損株作製に成功している。今後、本菌におけるsmall RNAの新規同定と併せ、small RNAやsmall RNAの制御因子の欠損株作製を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
small RNAの新規同定は進んでいないものの、これまでに同定されたsmall RNAの発現性の解析に必要なツールの作製を進めた。また、small RNAを介した発現制御に関与すると予想されるRNAシャペロンHfqの欠損株の2次元電気泳動により網羅的なタンパク発現変動を行い、変動するタンパクが複数認めた。
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Strategy for Future Research Activity |
Aggregatibacter actinomycetemcomitansにおいては、これまでに同定されたsmall RNAの発現変動を解析するために、様々な培養条件や2成分制御系の欠損株を用い、その発現メカニズムと病原性に関わる役割を解明する。他の歯周病原因菌においても新規small RNAの同定を目的とし、各種研究を行う。
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Causes of Carryover |
作製が遅れたプラスミド作製用
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Research Products
(1 results)