2022 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原因菌の病原性因子及び挿入配列を制御するsmall RNAの解析
Project/Area Number |
20K09922
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大貝 悠一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 講師 (40511259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 匡宣 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90444497)
小松澤 均 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (90253088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周病原因菌 / sRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
Aggregatibacter actinomycetemcomitansのsmall RNA発現性の解析を目的とし、RNAシャペロンのひとつでありsRNAを介した発現制御に関与するhfqの欠損株、外環境の刺激に応答し各種遺伝子やsRNAの制御を担う2成分制御系の欠損株の解析を行った。一部の2成分制御系因子の欠損株においてはヒト培養細胞への付着性、酸化ストレスに対する抵抗性に変化が認められたため、現在詳細なメカニズムの検討中である。下流遺伝子の解析においては二次元電気泳動法により酸化ストレスに変動を示す2成分制御系欠損株1株においてTCA回路で働く因子のタンパク発現量の増加を認めた。同欠損株を用いたRNAseq解析においては嫌気呼吸関連因子や酸化ストレス関連因子の発現変動を複数認めた。これら個別の因子とTCSの関連を現在検討中である。hfq欠損株は二次元電気泳動で複数の著明な発現変動を示すタンパクが見られる。RNAseq解析においては外膜タンパクの一種であるオートトランスポーターなど病原性との関連が示唆されている因子の発現変動を確認した。これらの発現制御に関与するsRNAの探索を今後行う予定である。 Fusobacteirum nucleatumは歯周病原因菌の一つである。本菌は他細菌と結合する(共凝集)ことにより、口腔内のプラーク成熟に重要な役割を持つと考えられている。当研究では本菌にも着目し、Hfqタンパクやその他2成分制御系などのレギュレーターの遺伝子欠損株の解析から既報のF. nucleatum sRNAの発現性などを解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNAseq解析に予定していたより時間が必要となり、当初の予定年度内に研究を終了させることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周病原因菌において、これまでに同定されたsmall RNAの発現変動を解析するために、様々な培養条件や各種欠損株を用いて、sRNAの発現メカニズムと病原性に関わる役割を解明する。とくに、口腔内定着性に関与する因子の新規同定につながる方針で進める。
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Causes of Carryover |
予定していたシークエンス解析、動物実験の外注が年度内に終了できないため。 野生株と遺伝子欠損株を用いたRNA-seqによる発現変動性解析、病原性因子抗血清の作成を行う。
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