2022 Fiscal Year Research-status Report
バクテリオファージを用いたARONJに対する新規治療法の創出
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20K09923
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
比地岡 浩志 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70305150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩野 英知 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (60382488)
松尾 美樹 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (20527048)
瀬名 浩太郎 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60701117)
後藤 雄一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00637902)
久米 健一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (60650067)
杉浦 剛 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (40322292)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ARONJ (MRONJ) / 口腔マイクロバイオーム解析 / ファージセラピー / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
ARONJ(MRONJ)は難治性かつ進行性の慢性炎症性疾患で未だに病態は不明なことが多く、治療法も確立していない。細菌感染がその発症、進展に重要な役割を果たしていることは明らかであるが、その原因となる菌種等は同定されていない。 これまでに歯周病原因菌であり、ARONJにも深く関わっていると思われるStreptococcus gordoniiに対して毒性のあるファージを単離することを試み、以下の研究結果を得た。 S. gordoniiに対する毒性バクテリオファージ(ΦSG005)は当院歯科排水溝から採取された廃液中に発見された。ΦSG005は電子顕微鏡分析によってポドウイルス科の特徴である短く非収縮性の尾と長頭の構成を認め、turbidity reduction assayにおいて、S.gordoniiに対して効率的な殺菌効果を示した。 また全ゲノム配列決定により、21のコード配列を持つ16,127bpのDNAゲノムを持っていることが示された。ΦSG005ゲノムにインテグラーゼなどのプロファージ関連要素は同定されておらず、ウイルスが毒性のあるファージであることを示した。系統発生分析はΦSG005が連鎖球菌ウイルスの中で明確なクレードを形成し、連鎖球菌ウイルスC1の隣に位置していることを示し、分子特性はΦSG005ゲノムに抗CRISPR(Acr)IIA5様タンパク質が存在することを明らかにした。これらの発見はストレプトコッカスウイルスの理解を促し、 歯周病やARONJなどのS. gordonii感染が関わっている疾患に対するファージ療法の開発に貢献すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍によって予定していた資料収集、共同研究打ち合わせ(県境をまたぐ)等の研究活動が進んでおらず、ARONJ(MRONJ)の病因、進行に関わっていると思われる口腔連鎖球菌の一種であるS. gordoniiの単離、分析に成功しているもののARONJとの直接的な因果関係の証明は行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に引き続き、原因菌同定をより精度の高いものとするため、対象およびコントロールのn数を増やし解析を行なっている。それと並行して有力な候補細菌 である口腔内嫌気性菌ファージの単離を行なっていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により予定していた資料収集、共同研究打ち合わせ(県境をまたぐ)等の研究活動が進んでおらず次年度に繰り越しとした。今年度に引き続き、原因菌同定をより精度の高いものとするため、対象およびコントロールのn数を増やし解析を行なっている。
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