2022 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸センサーうま味受容体が担う悪性黒色腫の増殖・浸潤・遠隔転移機構の解明
Project/Area Number |
20K09924
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
松尾 拡 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (70238971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
矢田 直美 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60468022)
永野 健一 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (60834348)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / アミノ酸センサー / Srcシグナル / 細胞増殖 / 細胞接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫は皮膚や口腔を含む粘膜に発症する悪性腫瘍であり,早期より全身転移するため予後が悪い.アミノ酸は、糖新生をはじめとした糖質合成や脂質合成の基質として働くだけでなく,生理活性物質としての機能を持つ.悪性腫瘍は正常細胞とは異なる環境で増殖や転移などの活動をするため、低酸素状態をはじめとする特殊環境に適応する能力を獲得する。その適応の一つとしてアミノ酸代謝のリプログラミングが知られるようになってきた。そこでそのアミノ酸センサーとしてTas1r1に着目し,その機能を解析し,細胞増殖を制御する可能性を示したが,実験の方向性に若干の方向修正を加え,Src シグナルの制御因子に着目してその悪性黒色腫の機能を解析した. NCBI GEOデータ解析において,悪性黒色腫患者ではplectinおよびSrcは高発現量していたことから,plectinは悪性黒色腫の病態に関連する可能性がある.そこで本研究では,悪性黒色腫の細胞挙動におけるplectinの機能を検討した.CRISPR/Cas9システムを用いてplectin遺伝子が欠損したマウス悪性黒色腫細胞株B16細胞(PKO)を作製した.ヌードマウスにPKOを接種し2週間後形成された腫瘍を形態学・組織学的に解析した.するとPKO腫瘍細胞の密度は低く,H&E染色ではPKO腫瘍の細胞間隙は広く疎な像であった.同様にPKO細胞から形成されたスフェロイドでは凝集密度が低下し,PKOの細胞塊は機械的刺激によって容易に崩壊した.また,フィブロネクチンに対する接着能も低下した.さらに,PKOの細胞増殖能をWST-8法およびCell viability法で評価したところ,PKOは経時的な生細胞数の増加能が低下していた.Western botting法と免疫沈降法により解析すると,PKOではSrcシグナル活性が低下していた.
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Research Products
(7 results)