2020 Fiscal Year Research-status Report
光子圧を応用した治療阻害因子を越えた位置での根管治療を可能とする新規治療法の開発
Project/Area Number |
20K09935
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50549938)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LAI / 根管内阻害因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
難治性根尖性歯周炎には根管内破折器具、レッジ、根管閉塞等の根管内阻害因子により根尖部清掃が困難となり、経過不良の一因となる事が多く、さらにこれらの解消治療は難易度とリスクが高く、最終的に抜歯となることもある。近年、新たな根管洗浄法としてレーザーを応用して光子誘導励起光音響流を生じさせるLAI(Laser-Activated Irrigation)という清掃法が考案され、我々も本法に着目し基礎挙動や安全性の解析を重ねる中で、従来不可能であったチップから離れた位置での清掃効果が評価され(最優秀研究賞受賞, 2014)、臨床導入されつつある。さらに研究を進める中で①光子圧により阻害因子(根管内破折器具、レッジ、狭小な根管)を越えた根尖部根管においても清掃効果が生じる現象と②光子圧により阻害因子とその先の根尖部に根管充填をできる現象を偶発的に発見した。 そこで光子圧を応用した根管内阻害因子を越えた位置の根尖部根管清掃/根管充填を可能する新規根管治療の着想に至り、世界で最初にその開発と評価を行うことが、本研究の目的である。我々の研究班は日々LAIの研究を行う中で2つの事象、すなわち光子圧を応用した根管内阻害因子を越えた位置の根尖部根管清掃/根管充填を可能する新規根管治療の着想に至った。上記概念は世界で最初であり、光子が阻害因子の間隙(破折器具の隙間、レッジの角度、狭小な根管の大きさ)を突破するための間隙径、最適な照射条件等の一連の解析はすべてが最初の研究となる。今年度の研究では主に破折器具やレッジ、根管の狭小部があったとしても、その先の根尖部根管の洗浄液が活性化している現象が観察され、上記の研究成果を発表した。結果的に、4本のインパクトファクター付の論文に受理、その他5本の論文に受理、3回の学会発表、2本の論文が優秀論文賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4本のインパクトファクター付の論文に受理、その他5本の論文に受理、3回の学会発表、2本の論文が優秀論文賞を受賞したため。
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Strategy for Future Research Activity |
阻害因子の隙間の条件、根管充填材の種類、根管内破折器具、レッジ、狭小な根管の位置、大きさを変化させた根管模型を用い、ハイスピードカメラを用いて最適な照射/適応条件を解析する。さらに充填剤の硬度圧縮試験、硬化時間、Flow試験、溶解率、等をISO6876(2012)準拠試験に基づき、レーザー照射による根管充填剤の変性および理工学的性質の変化を確認する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大に伴い、各種学会がweb開催となり緊急事態宣言による大学での研究一時停止措置に伴い、研究が中断したことに伴う。
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Research Products
(14 results)