2021 Fiscal Year Research-status Report
光子圧を応用した治療阻害因子を越えた位置での根管治療を可能とする新規治療法の開発
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20K09935
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (50549938)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | LAI |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は過去にEr:YAGレーザーを用いた根管洗浄法(laser-activated irrigation; LAI)の根管清掃効果を洗浄液中の蒸気泡挙動を指標として解析し,破折器具より根尖側にも清掃効果を及ぼす可能性を報告してきたが,短いパルス幅および低出力で円錐形チップにより照射した際に生じるLAIの流体挙動はPIPS(photon induced photoacoustic streaming)と呼ばれ、高い清掃効果を有する可能性が示されている.この研究は,治療阻害因子として破折器具を有する根管にPIPSによるLAIを行い,破折器具根尖側における清掃性を評価することを目的とした. 40本のJ字型透明根管模型の模型基底部から3 mmの位置に,#20 KファイルまたはNiTiファイル(WaveOne Gold Primary,デンツプライシロナ, #20/.07)の先端3 mmを破折させた.次いで根管内に蒸留水を満し,LAI群およびPUI(passive ultrasonic irrigation)群に分けて洗浄を行い.ハイスピードカメラ(VW-9000, キーエンス)で撮影した動画をソフトウエア(Dipp-Motion V, ディテクト)にて解析し,破折器具根尖側領域の蒸気泡速度と数を求めた.さらに抜去根管を用いて同様の条件で清掃性を観察した. 蒸気泡速度および数とも,NiTiファイル群はKファイル群より有意に高く(p < 0.05), LAI群はPUI群より有意に高かった(p < 0.05).また, LAI群はPUI群およびシリンジ洗浄群と比較して有意に清掃性が高かった(p < 0.05)本実験条件では根管内破折器具より根尖側において,破折器具の種類によって清掃挙動が変わる可能性があるものの,PIPSによるLAIは他の洗浄法よりも高い清掃性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2021年度は3本の査読付き雑誌に投稿し、掲載際され、3本の国内学会発表を行い、高い評価を得たため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は現在の治療阻害因子をさらに再分類して同様に阻害因子先の根管清掃効果を解析し、学会および論文報告していく予定である。また、LAIの臨床治験について現在、倫理審査書類を作成中である。
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Causes of Carryover |
コロナにより学会発表で使用する予算が少なくなった。現在論文執筆をしており、校正および出版費が円安の影響で高騰しているため、その予算に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)