2022 Fiscal Year Research-status Report
アルカリ産生性アクチノマイセス属細菌を応用したう蝕管理法の確立
Project/Area Number |
20K09939
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大原 直子 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (80301365)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 久美子 (田中久美子) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (50550802)
大原 直也 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70223930)
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (10201071)
横山 章人 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (90806069)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | アクチノマイセス属細菌 / う蝕管理法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アルカリ性を呈する環境を創り出し、病原性の低い細菌叢へ誘導することによるプラークコントロール法の確立を目的としている。これまでの研究において、アクチノマイセス属の主要3菌種 Actinomyces viscosus、 Actinomyces naeslundii、Actinomyces israeliiのアルギニン分解能およびアルカリ産生はA. israeliiが最も高く、A. israeliiをアルギニン添加培地で培養すると培養上清pHはアルカリ側へ傾くことを明らかにした。 本年度は、A. israeliiとStreptococcus mutansの共培養による菌の相互作用について検討した。Streptococcus mutansの増殖が速いのに対し、A. israeliiの増殖は遅く、共培養の影響を結論付けるための明確な結果は得られなかった。A. israeliiおよびS. mutansともにアルギニン添加の培地の方が増殖が良く、アルギニン添加の培地では、S. mutansの単培養でもpHが上昇した。このことは、S. mutansもアルギニンディミナーゼシステムを保有している可能性を示唆している。S. mutansはアルギニンの添加の有無と関係なく、A. israeliiとの共培養することにより増殖率の低下を認めた。 A. israeliiをアルギニン添加あるいは無添加の培地で培養し、それぞれ得られた培養上清に対しS. mutansの増殖反応を検討したところ、アルギニンを添加した培地での培養上清では、アルギニン無添加での培養上清に比べて増殖が抑制された。また、アルギニン無添加培地での培養上清のpHは、S. mutansの増殖により上昇した。A. israeliiが増殖することにより放出される成分がS. mutansの代謝に影響を及ぼした可能性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
様々な現象に対して普遍的な結論が得られていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
A. israeliiおよび S. mutansのアルギニンディミナーゼの発現および活性について検証を進め、プラーク環境をコントロールできる方法へ結びつける。
|
Causes of Carryover |
当初の研究計画の一部において、進行が遅れたが、次年度に執行する予定である。
|