2022 Fiscal Year Research-status Report
バイオナノカプセルを用いた高齢者オーラルケアの基礎研究
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20K09941
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
廣島 佑香 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (60545143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 淳一 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (10195315)
村上 圭史 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (10335804) [Withdrawn]
藤猪 英樹 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50356250) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 抗菌ペプチド / 歯周病原細菌 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
健康寿命を延ばす取り組みの一つとして、高齢者の口腔衛生環境を整えることは歯周病ばかりでなく他の口腔感染症の予防にとっても重要である。研究代表者は口腔内に多数発現する抗菌ペプチドに注目し、その機能や役割について研究している。抗菌ペプチドは幅広い抗菌作用を持ち、宿主に対して毒性が低く、耐性菌を生じにくいなどの特徴がある。また、感染防御において重要な役割を果たしている。抗菌ペプチドを用いたオーラルケアは低侵襲な方法であり、有用で安全なシステムの構築が期待できると考える。 令和4年度は、抗菌ペプチドβ-defensin 2 (BD-2) について、遺伝子配列のN末領域がATリッチになるようなコドンを選択して鋳型DNAを設計し、無細胞蛋白合成キット(PUREシステム)を用いてタンパク合成を行った。ドラッグデリバリーシステムのキャリアとしてリポソームを調製し、BD-2を封入したリポソームを細胞培養系に加え、細胞への送達を確認した。また、合成したBD-2がPorphyromonas gingivalisのヒト口腔上皮細胞への付着を抑制することを明らかにした。合成された抗菌ペプチドは、感染予防効果を有し、新たなオーラルケア法の開発に繋がる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
確立したペプチド合成系では目的のタンパクのみを精製するため、Hisタグ精製および透析を行ったが、合成量が少なく、今後、複数の実験に使用するためには合成量を増加する改良が必要である。また、ナノバイオカプセルにはリポソームを介して抗菌ペプチドを含有させるが、抗菌ペプチド含有リポソームの細胞や細菌への影響など検討が必要となる。目的の抗菌ペプチドの細菌への直接的な抗菌性を示すことができるのか、細菌のどの部分を標的とするのかなど、検討事項が多く、進行は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、リポソームに含有した抗菌ペプチドの抗菌性や歯周組織細胞への影響をさらに検討する。複数の人工合成した抗菌ペプチドの歯周病原細菌への影響や歯周組織細胞における炎症抑制効果などを検討する予定である。またターゲットとする歯周病原細菌の特異抗体を検討し、ナノバイオカプセルに標識させ、細菌との結合能を検討する。最終的には、抗菌ペプチドなどを封入したナノバイオカプセルが歯周組織および歯周病原細菌に及ぼす影響について解析を行う。
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Causes of Carryover |
本年度の研究に必要な消耗品が予定より少額で賄えたため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した研究費とあわせて現在までの結果を論文投稿するための投稿費用として使用する予定である。
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Research Products
(5 results)