2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of new alveolar bone regeneration therapy applying GelMA hydrogel
Project/Area Number |
20K09948
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
西田 英作 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (10512519)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 歯槽骨再生 / GelMA / 足場 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病で失った歯周組織、とりわけ歯槽骨の欠損が大きい場合の再生治療では、必要な細胞を外部から供給する細胞移植治療が必要となってくる。そこで、移植 治療用細胞として、安全かつ簡便に、そして中高年齢層から採取可能な顎骨由来骨芽細胞を使用し、足場材として歯槽骨再生治療用にカスタマイズされたGelMA を応用しオーダーメイド歯槽骨再生治療を目指す。本研究では、老齢ラットの顎から採取した顎骨由来骨芽細胞を、光感受性のリボフラビンを重合開始剤として 可視光線で硬化するように特性を与えたGelMA-RFに埋包し、歯周病モデル動物の歯槽骨欠損部に移植することによって、新たな歯槽骨の再生治療開発のための基 礎的研究を行う。 歯槽骨再生に有用な顎骨由来骨芽細胞:以下alveolar bone osteoblast (AOB)を独自の方法で採取し、細胞為害性が無くかつ骨芽細胞の分化誘導を促すようカスタマイズされた足場(GelMA-RF)と混合、歯槽骨欠損部に移植することを歯周病モデルラットで行い、新しい歯槽骨再生治療の基礎的研究を行うことを目的としている。令和4年度に引き続き令和5年度も1.老齢ラット顎骨由来骨芽細胞(AOB)の採取、培養2.GelMA-RFの作成3.歯周病モデルラットの作製、そして歯周病部位に GelMA-RFとRAOBの複合体の移植実験とその評価のために、令和5年度も移植部の細胞移植部のマイクロCT撮影、細胞移植部の薄切切片作製とHE染色の完了を目指した。歯周病モデルラットの作成は、上顎、下顎ともに第一大臼歯の近心に骨欠損を作成することは可能だが、欠損部位の定量化に現在の方法ではやや困難であるため、評価方法を再考しなければならい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
老齢ラット顎骨由来骨芽細胞(RAOB)の採取、培養は、50歳以上の中高齢者の歯周病患者を想定し、70週齢のSDラット雄の下顎肢より骨片を採取、コラゲナーゼ 法にて分離、培養し、3 個体から各分画を凍結保存した(RAOB1F3,4,5、RAOB2F3,4,5、RAOB3F3,4,5)。コントロールの骨芽細胞として7週齢のラット下顎肢から 顎骨由来骨芽細胞を採取した。これらの細胞をBMP-2添加した骨分化誘導メディウムで14日間培養し、カルセイン染色にて石灰化の定量を行った。 2.GelMA-RFの作成に関してはこれまでの経験を生かし、再現性は高いため、材料や器具のメンテナンスを行ったが、歯周病モデルへの細胞移植実験に関しては、 プレ実験として細胞移植する前に大腿骨に骨欠損を作成し、細胞移植部の骨再生量を評価した。8週齢のSD雄ラットの上顎及び第1大臼歯の近心部の歯肉を切開剥離し、重度歯周病を想定したが、欠損作製が想定より困難で、歯周病モデルラット作成が遅れている。 3.本研究課題の結果をまとめ、英語論文にできていない。4.研究代表者が2023年7月14日から1年以内の予定で、アメリカ留学した。
|
Strategy for Future Research Activity |
歯周病モデルマウスの細胞移植実験に関しては、8週齢のSD雄ラットの上顎及び顎第1大臼歯の近心部の歯肉を切開剥離し、重度歯周病を想定し、歯周病モデルを作製する予定である。欠損作成、定量化がやや困難で技術の向上が必要とされる。
|
Causes of Carryover |
予定より支出が少なかったのは、RAOBの骨分化能の評価(組織切片)の、外注費用が少なかったためと英語論文推敲料、投稿料に使用しなかったためである。次年 度に延長して、薄切切片の外注、英語論文の校正、投稿料に使用予定である。
|