2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K09949
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
中村 恵子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (70336957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 高士 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10284697)
吉永 泰周 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 准教授 (60452869)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科領域における外科処置、歯周組織再生誘導法(GTR法)や骨誘導再生法(GBR法) などの骨再生には血餅の保持が特に重要である。血液は近位の海綿骨、もしくは骨膜から供給され、細胞や細胞由来のサイトカインが集まり複雑な機構により骨が再生される。血液の供給源は最重要事項であるにも関わらず、最近まで血管と骨との相互作用が全く解明されていなかった。近年、脛骨(軟骨内骨化)の血管内皮細胞(TypeH)が骨特異的な血管であることが報告され、さらにそれが骨芽細胞の分化、活性化を調整することがわかったが、以後、詳細には解明されていない。 本研究の目的は、上下顎骨歯槽骨(膜内骨化)において、軟骨内骨化の骨のように血管内皮細胞が骨芽細胞の分化、活性化を調整するか、また骨代謝にどう影響を及ぼすかを解明することである。 これにより歯科領域の臨床効果をもたらす新たな骨再生治療が確立される可能性があることが期待される。 研究実施計画として 1.マウス創傷治癒過程におけるH型血管内皮細胞の局在と骨再生の組織学的検索(連続切片作製後蛍光免疫染色にて同定) 2.H型血管内皮細胞の分離・培養(FACStarによるソーティングにて、CD31とエンドムチン強発現細胞(H型血管内皮細胞)を採集) 3.H型、L型血管内皮細胞の形質評価 4.血管内皮細胞と骨芽細胞もしくは骨芽細胞前駆細胞との相互作用の解析 5.H型とL型の血管内皮細胞シートの作製 6.マウス骨欠損への細胞シート移植 7.マウス歯髄細胞血管内皮細胞を用いた骨再生治療への応用である。 研究は現段階ではまだあまり進展がなく、既存の切片の免疫染色等を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一昨年同様昨年度も新型コロナ感染対策により大学・実験施設への入室規制、現勤務地の外出規制、試薬・器具の入手遅延(器具輸入の遅延)のため、実験が最初の計画より大幅に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
主たる実験場所である大学内研究室も、勤務地である口腔医療センターも、万全の新型コロナ感染対策を行い、遅れている部分の実験を軌道に乗せる。
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Causes of Carryover |
二年間の基礎実験を元とし、さらなる実験を継続・発展させる。 そして研究成果を発表する(学会発表、国際雑誌上に発表)のに必要であるため。
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