2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周病原細菌の感染とタンパク質シトルリン化を介する関節リウマチの病態解明
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20K09954
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
畑中 加珠 岡山大学, 大学病院, 医員 (50362992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 一弘 岡山大学, 大学病院, 講師 (20549860)
高柴 正悟 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (50226768)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周病原細菌 / シトルリン化蛋白 / 関節リウマチ / 血清抗体価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、関節リウマチとその類似疾患患者を対象に、シトルリン化に関与する歯周病原細菌に対する血清IgG抗体価を調べることによって、歯周病原細菌の感染と関節リウマチの病態との関連を明らかにすることを目的としている。 抗シトルリン化蛋白抗体陽性を特徴とする関節リウマチとその類似疾患で抗シトルリン化蛋白抗体陰性であるリウマチ性多発筋痛症の患者を対象とした。研究協力者である小山芳伸医師から岡山赤十字病院 膠原病患者の「検体バンク」に保存されている関節リウマチおよびリウマチ性多発筋痛症患者142名の初発時(治療前)の血清の提供を受けた。シトルリン化の関与が報告されているPorphyromonas gingivalis(Pg)およびAggregatibacter actinomycetemcomitansを含む歯周病原細菌9菌種13菌株に対する血清IgG抗体価の測定を行った。なお、既に岡山大学および岡山赤十字病院の倫理審査委員会の承認は得ている。 抗シトルリン化蛋白抗体陽性群と陰性群で歯周病原細菌に対する血清抗体価の違いを検討したところ、陽性群とりわけ高値陽性群は陰性群と比較してPgに対する血清抗体価が有意に高い結果となった。また、関節リウマチ患者群とリウマチ性多発筋痛症患者群とで血清抗体価を比較したところ、有意な差は認められなかった。さらに、関節リウマチ患者に絞って、疾患活動性や治療反応性と血清抗体価との関連についても検討したところ、活動性に関連はなかったが、治療反応性が不良な患者はPgおよびAaの血清抗体価が有意に高い結果となった。すべての解析において、両疾患のリスク因子である喫煙についても検討したが、関連は見出せなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者から対象患者初診時の血清の提供を受けて、歯周病原細菌に対する血清IgG抗体価測定が終了し、解析が終了している。ただし、COVID-19の影響、研究室の移転により、新たな血清の提供および抗体価の測定が停滞している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究解析結果をまとめて発表する。また、関節リウマチの治療後の血清を得て、歯周病原細菌に対する血清IgG抗体価を同様に測定することによって、治療反応性と歯周病原細菌の感染との関連の検討を深めていく。さらには、口腔内の臨床データも含めた解析を検討する。
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Causes of Carryover |
本年度も、学会のWeb開催、研究打ち合わせの見合わせにより旅費の支出がなかった。使用計画としては、次年度、現地開催の学会参加や研究打ち合わせあるいは抗体価測定に必要な物品等に充当する。
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