2020 Fiscal Year Research-status Report
Trace-elementsナノコンポジットを応用した新規多機能材料の開発
Project/Area Number |
20K09962
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
松田 康裕 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (50431317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 克史 朝日大学, 歯学部, 准教授 (00322818)
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
邱 友靖 北海道医療大学, 歯学部, 研究員 (90845421)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ナノコンポジット / 微量元素 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の活性を抑制し、コラーゲンを保護することは、バイオミネラリゼーションの過程において不可欠なステップです。これまでに、亜鉛やフッ素などの金属イオンが、MMPを抑制する効果があることが報告されています。そこで、我々は、亜鉛とその他の微量元素からなる微量元素ナノコンポジットのMMPsに対する抑制効果を調べた。 4種類のナノコンポジット(亜鉛と銅の比率が2:1(ZCF)および20:1(ZCF-lC)で、フッ化物を含むものと含まないものを同比率で(ZC, ZC-lC)、低温(80℃)でシンプルなワンステップ法により調製した。MMP蛍光測定キット(SensoLyte assay kits; AnaSpec, USA)のリコンビナントMMP-2, MMP-8, MMP-9を用いて、MMP阻害効果を調べた。採取したサンプルと1 mM 4-aminophenylmercuric acetate (APMA)で活性化したMMPを96ウェルプレートに分注し、5-FAM/QXLTM 520 fluorescence resonance energy transfer (FRET)37 0.5℃で1時間インキュベートした後、LightCycler96システムを用いてFAM (470/514 nm)の蛍光強度を測定した。得られたデータは、一元配置のANOVAを用いて統計解析を行い、続いてScheffeの検定を行った(p<0.05)。 ZC-LC群は、MMP-2、MMP-8、MMP-9に対して抑制効果を示し、全群がMMP-9に対して抑制効果を示した。今回の結果は、低濃度の銅ZnO/CuOナノコンポジットがMMPに対して抑制効果を示したことから、象牙質コラーゲンの分解とそれに伴う象牙質の劣化を抑制する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
微量元素ナノコンポジットにから歯質への元素の浸透と脱抑制効果の検討を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大にともないPIXE/PIGE分析が予定通りに行えず、分析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロビーによる元素分析が出来ず遅れているが、元素組成によるMMP抑制効果が明らかなとなったため今後はMMP抑制効果や、細胞毒性などの生体活性や生体親和性について検討を進めてゆく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大にともない、予定していた学会発表が中止またはウェブ開催となったため、旅費や学会参加費の支払いが少なくなったため。
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Research Products
(12 results)