2021 Fiscal Year Research-status Report
着脱可能型レジンセメントシステムにおける近紫外光LED照射器の開発
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20K09983
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
高垣 智博 朝日大学, 歯学部, 准教授 (60516300)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | UV -LED / 光照射器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、光分解のためのUV-LED光照射器の検討が不可欠である。UVC領域(波長280nm以下)での光分解性能はすでに検討しているが、臨床応用を進めるためより安全な波長域のUV-LED光照射器を用いる必要がある。 研究協力体制を築いている企業から、試作UV-LEDの提供を受け、電源装置や遮蔽環境下での光照射が可能な実験用の照射装置の確立を試みた。具体的には265,285,300,340nmの波長を持ったLEDを試作し、光源からの距離(ワーキングディスタンス、WD)における照度計測を実施した。また、UV-LED装置の他用途への応用の検討として、歯質漂白剤との併用や、歯冠修復材料表面のコンタミネーションの除去などの検討を加えている。 歯間修復材料表面のコンタミネーション除去については研究成果を「UV-Mediated Photofunctionalization of Indirect Restorative Materials Enhances Bonding to a Resin-Based Luting Agent」の表題にてBiomed Res Int.誌上に報告した。 また、歯質漂白剤の効果との相関性に関しては、「Effect of ultraviolet ray on tooth bleaching using titanium dioxide photocatalyst」の表題にてAsisan Pacific Dentistry Journalに報告した。 コロナ対応の中、対応できる課題を優先しながら一定の成果を学術誌に報告できた。 これまでの研究期間に得られた成果をもとに、産学連携での光照射器の開発に向けて、緊密に連携して研究を進める。具体的には現在の試作型UV-LED光照射器のLED素子をベースにして従分な光量を確保できる照射装置のデザインを検討する。機器のデザイン、作製においてはノウハウのある歯科機器メーカーに検討を依頼し、開発の実現性を高める工夫をしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に続き、コロナ対応に迫られる中、共同研究企業とはリモート対応での協議を進めながら、実施可能な課題に関しては、成果をまとめて学術誌に投稿発表することができた。 歯間修復材料表面のコンタミネーション除去については研究成果を「UV-Mediated Photofunctionalization of Indirect Restorative Materials Enhances Bonding to a Resin-Based Luting Agent」の表題にてBiomed Res Int.誌上に報告した。 また、歯質漂白剤の効果との相関性に関しては、「Effect of ultraviolet ray on tooth bleaching using titanium dioxide photocatalyst」の表題にてAsisan Pacific Dentistry Journalに報告した。 今後も現在までに得られた研究成果をもとに、学会発表並びに学術論文を発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者らの研究により開発された、光分解性PRX架橋剤を用いることで、可視光照射にて硬化し、紫外光照射で分解するレジン硬化体を作製する技術を応用し、着脱が可能な新規接着性レジンセメントの基礎技術を開発することが本研究の目的である。本研究においては、光分解のためのUV-LED光照射器の検討が不可欠である。UVC領域(波長280nm以下)での光分解性能はすでに検討しているが、臨床応用を進めるためより安全な波長域のUV-LED光照射器を用いる必要がある。これまでの研究期間に得られた成果をもとに、産学連携での光照射器の開発に向けて、緊密に連携して研究を進める。 具体的には現在の試作型UV-LED光照射器のLED素子をベースにして従分な光量を確保できる照射装置のデザインを検討する。機器のデザイン、作製においてはノウハウのある歯科機器メーカーに検討を依頼し、開発の実現性を高める工夫をしていく。
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Causes of Carryover |
コロナ対応において、予定していた国際学会への参加や、連携機関との打ち合わせなどに生じる費用が予定を下回っていたため。本年度はある程度の対面でのミーティングなども企画しており、順次使用していく予定である。
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Research Products
(1 results)