2020 Fiscal Year Research-status Report
バイオアクティブ効果を応用した機能性を有する歯面コーティング材の開発
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20K09984
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
日下部 修介 朝日大学, 歯学部, 講師 (30614557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 葉 明海大学, 歯学部, 准教授 (60286010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | テオブロミン / カテキン / S-PRGフィラー / 歯面コーティング材 / 細菌付着性 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,試作歯面コーティング材を試作し,以下の検討を行い,結果を得た. ①試作コーティング材の組成と作製;試作コーティング材は,ベース(4種類)とPRGバリアコートアクティブ(松風,京都)とを等量混和して調整し,ベースには,各々添加材料としてシリカ(SC),S-PRG (PR),シリカ+5.0 wt%テオブロミン(SC/TB),またはS-PRG+5.0 wt%テオブロミン(PR/TB)を用いた. ②試料表面のSEM観察;試作コーティング材を研磨群,純水浸漬群,人工唾液浸漬群に分け,走査電子顕微鏡(SEM)を用いて観察したところ,研磨群と純水群の試料表面においては,いずれの試料表面にフィラーの脱落と気泡が認められた.一方,人工唾液群では試料表面がすべて被覆されて滑沢な面が観察された. ③細菌付着試験;TSBY寒天培地を用いてStreptococcus mutans ATCC25175を培養後,[methyl-3H]thymidine(ARC)にてラベルした.その後,遠心(12,000 g)で15分間,4 ℃で集菌し,PBSにて洗浄後,菌液を調整した.試料は研磨群,純水群または人工唾液群とし,各試料(4×4×1 mm)を浸漬し,37 ℃ 2時間振盪後,PBSで洗浄した.その後,全自動試料燃焼装置を用いて試料に付着した菌体を完全燃焼させ,3H2Oとして回収し,液体シンチレーションカウンターで放射能を測定した.その結果,研磨群,純水群,人工唾液群のいずれにおいても,テオブロミン添加の有無による細菌付着量に差は認められなかった.一方,S-PRG配合コーティング材においては,シリカ配合コーティング材と比べて細菌付着量の有意な減少が認められた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染症の影響は少なからずあったものの,試作歯面コーティング材を試作し,コーティング材の表面のSEM観察と細菌付着性試験を行い,結果を得ることができた.しかしながら,テオブロミン添加の有無による細菌付着量に効果が認められなかったことから,現在,テオブロミンについて抗菌性試験を行っているところである.また,テオブロミンと同じ天然植物由来である有機化合物のカテキンをポジティブコントロールとして用いて検討を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
テオブロミンの抗菌性試験に加えて,テオブロミンと同じ天然植物由来である有機化合物のカテキンをポジティブコントロールとして用いて検討を行っている.さらに,カテキン含有歯面コーティング材を用いて細菌付着性試験を行うことを検討している.また試作歯面コーティング材におけるテオブロミン溶出量と抗菌性の関連についても検討する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度に関しては研究を進めているものの、大学内および研究室内の設備、機器で行える実験もあり次年度使用額が生じた。また次年度以降は学会発表、論文投稿、実験機器、試薬の購入を予定している。
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Research Products
(5 results)