2023 Fiscal Year Research-status Report
バイオアクティブ効果を応用した機能性を有する歯面コーティング材の開発
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20K09984
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
日下部 修介 朝日大学, 歯学部, 准教授 (30614557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 葉 明海大学, 歯学部, 准教授 (60286010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カテキン / S-PRGフィラー / バイオフィルム / 歯面コーティング材 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はカテキン含有の歯面コーティング材について試作し,口腔内細菌に及ぼす影響について検討したところ,以下の結果を得た. ①試作コーティング材の組成と作製;試作コーティング材は,ベース(4種類)とPRGバリアコートアクティブ(松風,京都)とを等量混和して調整し,ベースには,各々添加材料として,S-PRGフィラー,S-PRGフィラー+2.5wt%カテキン, S-PRGフィラー+5.0wt%カテキン, S-PRGフィラー+10.0 wt%カテキンを用いた. ②バイオフィルム形成に及ぼす影響;供試細菌としてS.mutansを用いた.S.mutans を1.0×10 7CFU/mLに調整後,各歯面コーティング材上に播種し 37°Cで 48 時間培養した.培養後、TSB培地に摂取しコロニー数をカウントした。その結果,S-PRGフィラーおよびS-PRGフィラー+2.5, 5.0, 10.0wt%カテキンの歯面コーティング材は、それぞれ、93.33, 13.92, 22.08, 23.58 X 5 X 10 4 CFU/mLであり,非カテキン含有のコーティング材と比較して、それぞれ85.0±10.6%, 76.3±11.3%, 74.4±21.1%の細菌生成抑制を認めた.カテキン含有の歯面コーティング材は,バイオフィルム形成を有意に阻害することが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでテオブロミン含有の試作歯面コーティング材について検討を行い,結果を得ることができた.今年度はカテキン含有の歯面コーティング材について試作し,口腔内細菌に及ぼす影響について検討することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
カテキン含有の歯面コーティング材について試作し,S.mutansに対する効果について検討することができた.今後は,このコーティング材におけるLactobacillus caseiに対しての効果を検討し,準備を進めている.またS-PRGフィラー,テオブロミン,カテキンにおける三者の相乗効果についても検討したいと考えている.
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Causes of Carryover |
今年度は学会出張,歯面コーティング材やレジンなど実験材料に経費が生じたものの,大学内および研究室内の設備,機器で行える実験もあり次年度使用額が生じた.次年度は,実験材料の購入に加えて,実験に使用する機材・試薬の購入,外部の研究施設での実験,論文投稿を予定している.
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