2020 Fiscal Year Research-status Report
Immunomodulatory mechanism of P gingivalis Mfa1 fimbriae in periodontal tissue destruction
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20K09985
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
菊池 毅 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40421242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 章雄 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50329611)
長谷川 義明 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70460524)
神谷 洋介 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70572808)
後藤 久嗣 愛知学院大学, 歯学部, 助教 (10783037)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周病原細菌線毛 / P.gingivalis / 歯肉線維芽細胞 / Mfa1 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病において、そのキーストーン病原体として認知されているPorphyromonas gingivalisが持つ線毛は、歯周組織への定着のみならず歯周組織破壊においても重要な役割を担っている。二種類ある線毛のうち、Mfa1線毛に関する研究、特に宿主応答に与える影響に関する報告はその重要性と比べごく僅かである。今回申請者らは、歯周組織破壊における宿主の免疫応答に対するMfa1線毛の役割を明らかにすることを目的とし、in vitro研究としてP. gingivalis線毛の線維芽細胞に対する免疫調節能に関する検討を行うこととした。Mfa1線毛を精製し、JI-1として実験に使用した。また、 Mfa5がermF-Bによって破壊されたMfa5変異体(FMFA5)株および遺伝子相補体(FMFA5C)株からも同様に線毛を精製し、それぞれFMFA5およびFMFA5Cとして実験に使用した。歯肉線維芽細胞に対するMfa1線毛の影響を調べたところ、好中球走化性因子であるCxcl1,Cxcl3および炎症性サイトカインであるIL-6 のmRNA発現についてJI-1刺激の方が FimA線毛刺激よりも強く亢進していた。これらのことから、Mfa1線毛の免疫調節能は、 FimA線毛の免疫調節能を一部上回っている可能性が考えられた。JI-1と比較してFMFA5ではCxcl1,Cxcl3,IL-6のmRNA発現が著しく上昇し、FMFA5Cでは有意に減弱していた。細胞接着因子であるIcam1、Seleも同様の結果が得られた。これらの結果から、Mfa1線毛による免疫調節能および細胞接着因子の制御は、シャフト部分のMfa1分子に大きく影響される可能性が示唆された。今後は、in vivo研究として線毛発現の異なったP. gingivalis誘導実験的歯周炎の宿主応答を免疫・組織学的に比較検討するしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vitro研究で、Mfa1線毛の歯肉線維芽細胞に対する免疫調節能に与える影響に関して、詳細な解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス実験的歯周炎モデルを用いて、線毛発現の異なるP.gingivalisの歯周組織破壊に対する影響を、歯肉結合組織に着目して、詳細に解析することで、Mfa1線毛の役割を明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
細胞培養実験に関して、既に持ち合わせていた試薬を主に使用したため、次年度使用額が生じた。次年度は、動物実験を中心に行う予定であることと細胞培養実験に関しても新たな試薬を必要とするため、次年度使用額を使用する。
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Research Products
(8 results)