2020 Fiscal Year Research-status Report
パターン認識技術を応用したイ ンプラント体判別システムの開発
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20K09993
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
若林 一道 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (50432547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 隆志 大手前短期大学, ライフデザイン総合学科, 教授 (20198211)
中野 環 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (40379079)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インプラント / ディープラーニング / 識別 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント治療は欠損補綴治療として有効な治療法であり、一般歯科診療においても広く用いられている。長期的に良好な予後を得るためには、定期的なメインテナンスや調整、時として歯科医師の最介入が必要となるため、どのようなインプラント体が埋入されているかを把握しておくことは極めて重要である。しかし、超高齢化社会の今、どのようなインプラント体が埋入されているかの情報を有する高齢者は極めて少ない。さらに、かかりつけ医院が閉院しているなど、患者からインプラントの情報を引き出すことが極めて困難となっている。加えて、インプラント体はメーカの違いのみならず、同一メーカーにおいても、その種類、構造は多岐にわたっている。そのため、効率的なインプラント体を認識する方法が必要である。そこで本研究では、ディプラーニングを用いて、インプラント体のメーカーや種類を判別させるためのシステムを構築することを目的に研究を行なった。 本年度は、ディープラーニングに用いるための画像の構築を行なった。ディプラーニングによる画像識別を行うためには、一つの対象物に対し数百枚の画像が必要となる。インプラント体には多数の種類があるため、各インプラント毎に数百のレントゲン画像を集めることは、現状、極めて難しく、また個人情報の観点からも手続きが煩雑となる。そのため、今回インプラント体をマイクロCTで撮影したデータおよびSTLデータで構築した三次元データから二次元画像を構築する方法を考案した。画像の作成にはVGStudio2.0Maxを用い、本ソフトウェアの動画作成機能により、様々な角度からインプラント体を撮影し、得られた動画から、連続画像を構築した。その結果、多数の角度からのインプラント体画像を簡便に構築することが可能となり、ディープラーニング用の画像を三次元データから作成できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ディープラーニングに用いるための画像の構築を行なった。ディプラーニングによる画像識別を行うためには、一つの対象物に対し数百枚の画像が必要となる。そのため、今回インプラント体をマイクロCTで撮影したデータおよびSTLデータで構築した三次元データから二次元画像を構築する方法を考案した。画像の作成にはVGStudio2.0Maxを用い、本ソフトウェアの動画作成機能により、様々な角度からインプラント体を撮影し、得られた動画から、連続画像を構築した。インプラント体が埋入された本来のX線画像では、骨画像も写っており、またインプラント体においても特有のボケ感があるが、これらを緻密に再現した画像までは構築できていないため、今後の研究により、精度を上げていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の実験により、インプラントのSTLデータから擬似的なX線画像を構築できる可能性が示唆された。今後は骨データを含み、かつX線画像のようなボケ感および透過性を検討し、緻密に再現された擬似的X線画像の構築を行う。加えて、画像が構築できたのち、速やかにディープラーニングを行うために、倫理委員会において患者のX線画像使用の認可を受ける準備を行う。
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Causes of Carryover |
消耗品等を購入したことにより、差額が発生したが、差額はわずかであるため、次年度に繰り越し予定通りの予算執行を行う。
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