2022 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞のStemnessを維持する代謝系制御培養基板の開発
Project/Area Number |
20K09994
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 伊佐雄 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40346507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金輪 真佐美 (福永真佐美) 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助教 (00284208)
森田 晃司 広島大学, 病院(歯), 助教 (30555149)
加藤 功一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50283875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タンパク発現 / 間葉系幹細胞 / 幹細胞性 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、代謝系制御機能を付与した培養基板、すなわちbFGFやCripto-1等のサイトカインを培地ではなく培養基板表面に固定化することでMSCの高品質大量培養に最適化された基板の設計・開発を目指す。 最終年度は、引き続き、基板に固定部位を有するサイトカインのキメラタンパク質の精製条件について複数検討してきた。Cripto-1をベースとしたキメラタンパクであるGSTHRV-Cripto-1-GGGGS3H6は、回収時に不溶化しやすい事が判明したため、大腸菌破砕液にDithiothreitolを加えることで不溶化を抑制することで、精製時の回収量を増大することができた。また、bFGFをベースとしたキメラタンパクであるbFGF-GGGGS3H6は、塩濃度が低いと想定以上に不溶化およびクエン酸バッファでのリフォールディングには塩濃度を上げることが不可であることが判明したため、リフォールディングは大希釈法を用い、その後、塩濃度を上げて濃縮・精製を行うことで回収量を増大することができた。また、AlphaFold2を用いてタンパク構造予測からCDスペクトル予測を行い、発現タンパクの測定CDスペクトルと比較することで、発現タンパクの二次構造の確度が上がった。また、発現タンパクとレセプターとの結合構造の予測を行うことで、発現前にキメラタンパクのレセプター結合の検討も可能となった。 最後に、これらのキメラタンパクの発現・精製条件の検討が遅れたこととコロナ禍の影響により基板固定プロセス以降が準備段階となってしまったが、キメラタンパクの発現・回収量を十分に行える合成条件を確定できた。これらのキメラタンパク質は、NTA基が導入された基板上に固定することが可能であり、発現量も十分であることから本研究だけでなくバイオマテリアル表面へのサイトカイン固定化など、大量のサイトカインが必要な研究に役立つことが期待できる。
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