2021 Fiscal Year Research-status Report
Improvement of success rate of dental implant in menopausal women: Development of novel technology for enhancing bone-implant osseointegration
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20K09996
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Research Institution | Shumei University |
Principal Investigator |
庭野 吉己 秀明大学, 看護学部, 教授 (40375184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍戸 駿一 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20850613)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
神崎 秀嗣 秀明大学, 看護学部, 教授 (60807345)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 閉経女性 / 卵巣摘出動物 / 骨代謝 / インプラント / プロアントシアニジン / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
実験Ⅰ:閉経女性のモデルとして卵巣摘出マウスを用い、骨代謝への影響およびプロアントシアニジン (PA)の効果を検討した。8週齢の雌性C57BL/6Jマウスを以下の4群に分けた。①偽手術+通常飼料、②偽手術+PA混餌飼料、③卵巣摘出+通常飼料、④卵巣摘出+PA混餌飼料。各手術の翌日よりPA混餌飼料(PA 0.2% 配合)あるいは通常飼料を与えた。2020年度に大腿骨のマイクロCT解析まで完了したが、卵巣摘出により有意に減少した大腿骨の骨量に対してPA混餌投与の影響は認められなかった。2021年度には糞便中の腸内細菌叢として門レベルでFirmicutes (F) およびBacteroidetes (B)を解析し、F/B比を算出したが、大きな変化は認められなかった。
実験Ⅱ:卵巣摘出ラットを用い、歯科用インプラントの骨結合への影響およびPAの効果を検討することとした。7週齢雌性Wistar系ラットを以下の4群に分けた。①偽手術+通常飼料、②偽手術+PA混餌飼料、③卵巣摘出+通常飼料、④ 卵巣摘出+PA混餌飼料。各手術の翌日よりPA混餌飼料(PA 0.2% 配合)あるいは通常飼料を与えた。各手術の1週間後に上顎第一大臼歯を抜歯した。抜歯8週間後に上顎第一大臼歯部に小型チタン製インプラントを埋入した。埋入4週後に動物を安楽死させて、下記の分析を行う予定であった; 1) マイクロCT分析、2) 非脱灰研磨標本を用いた分析、3) 脱灰標本を用いた病理組織学的分析、4) 骨結合強度分析。しかし、埋入4週間後の時点で大部分のインプラントが脱落しており、目的とする解析を行うには至らなかった。
総説論文の作成・投稿:上記実験ⅠおよびⅡの現状を踏まえて、打開策を見出すべく関連文献の精査を徹底的に行い、問題点を抽出した。その結果を総説論文2報にまとめ、投稿し、受理・掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験Ⅰでは、卵巣摘出の影響は確認できたが、PAの効果はクリアではなく、腸内細菌叢解析でも有意な影響を確認することはできなかった。現在、腸管のバリア機能に視点を移し、腸管の免疫組織学的検討を行っている。 実験Ⅱにおいては、インプラント挿入で手技的な問題があり、サクリファイスの時点でサンプリング数を確保することができなかった。脱落の原因は、大部分で初期固定が得られていなかったことであると考えている。埋入時の問題点として、1. 何度もドリリングして埋入窩が大きくなってしまった、2. ドリルの切れ味が悪い(すぐ切れ味が悪くなる)3. ラットの頭を固定すると、付属のロケーターを使ってドリリングできない(今回は使用せず、フリーでドリリングした)、ことがあげられた。現在鋭意手技の改良に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載した実験ⅠおよびⅡについてはプロアントシアニジン (PA)の投与条件を変えて再試験を行うとともに、卵巣摘出ラットより採取した腸内細菌の培養とPA 添加の影響(菌叢解析およびLC-MSによる代謝物解析)を検討する。 先行の糞便培養研究(Gonzalez-Barrio et al., Drug Metab. Dispos. 39:1680, 2011;James et al., Molecules, 24:744, 2019;Choe et al., Agric Food Chem, 66:9309, 2018; Choe et al., Food Func, 10:2461, 2019; Choe et al., Molecules, 26, 1478, 2021)を参考に、術前および術後2および4週間目の糞便を窒素ガスバブリングにより脱酸素化した培地で嫌気培養する。各種濃度のPAは、予め培地に添加しておく。37℃で振盪しながら72時間まで経時的にサンプルを採取する。菌叢はPCRにて門および属レベルで解析し、PAおよびその代謝物はメタノール抽出後LC-MSにて分析する。糞便採取のタイミングは、結果をみながら適宜変更する。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染拡大による動物試験実施の遅れ、およびフィンランドで実施予定の国際学会発表がオンライン開催となり旅費が発生しなかったため。
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