2022 Fiscal Year Research-status Report
生体安全性を有する抗菌性単分散シングル金属ナノ粒子の開発
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20K10004
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
橋本 正則 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (00337164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元根 正晴 大阪歯科大学, 医療保健学部, 教授 (40826616)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 単分散 / シングルスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
シングルスケールナノ粒子(粒径10 nm以下)の特異性を探索する研究を継続している。数種類の金属ナノ粒子を用いて、シングルスケール(粒径10 nm以下)とそれ以上の物(粒径10 nm以上)とを比較した。コアメタルの種類や粒子を被覆するポリマーの種類を変えて、様々な分析を行っている。RAW264 cells(マクロファージ様細胞)を使用した細胞毒性試験(WST-8 assay)を使用しての評価で再現性を確認している。この細胞はマクロファージであるためライソゾーム内にナノ粒子を取りこみやすい性質がある。このため、取り込んだナノ粒子の細胞内での局在や細胞の形態変化を電子顕微鏡で観察しやすい。 その結果、当初考えていた通りで、シングルスケール以下のサイズになると細胞毒性の発現が強く出ることが再確認できた。走査型電子顕微鏡観察(SEM)では、影響を受けた細胞と影響のない細胞の細胞膜を中心とした形態変化を観察したが、大きな相違は認められなかった。形態変化がより起こりやすい細胞を使用して再実験することも計画中である。次に、透過型電子顕微鏡用試料(TEM)を作製して、より高拡大にて細胞膜の形態変化を調べる予定である。金属ナノ粒子のコアメタルの種類または被覆材も大きく結果に影響を与える可能性はあるが、今のところ粒子のサイズそのものが重要な因子であると考えている。形態的に細胞に特徴的な変化を確認できれば、シングルスケールナノ粒子の細胞に与える影響を推測することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光顕微鏡の観察を行っているが、新しい機器の操作に熟練しておらず、時間が掛かった。
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Strategy for Future Research Activity |
①種類の異なるシングルスケールナノ粒子を使用する。 ②種類の異なる細胞を使用する。 ③蛍光顕微鏡観察を行う。
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Causes of Carryover |
実験が計画通りに進まずに実験材料の未使用額が増えた。翌年度はその分多く使用する予定である。
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