2021 Fiscal Year Research-status Report
リン酸カルシウム遺伝子導入剤による機能性抗菌コーティングのインプラント周囲炎応用
Project/Area Number |
20K10007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
天雲 太一 東北大学, 大学病院, 講師 (80451425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 希里香 東北大学, 歯学研究科, 助教 (20712904)
中村 圭祐 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (30431589)
白土 翠 東北大学, 歯学研究科, 助教 (60708501)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リン酸カルシウム / インプラント周囲炎 / 殺菌 / 骨付着 / 遺伝子導入 / 水酸化ラジカル / 再オステオインテグレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント治療は表面性状の発展に伴い治療の成功率が飛躍的に向上することで、世界的に普及する治療方法となった半面、インプラント周囲炎の報告も増加している。しかし、インプラント周囲炎に対する有効な治療方法はまだないことが歯科治療において大きな問題となっている。インプラント治療では、細菌などで汚染した表面の殺菌療法だけでは不十分で、その後に骨の再付着を誘導するようなシステムの確立が重要となる。そこで、本研究ではラジカル殺菌処置後に抗菌性リン酸カルシウム遺伝子導入ナノ粒子によるコーティング層を構築することで、再感染予防と再オステオインテグレーションの獲得をする新しいインプラント周囲組織再生療法を確立することを目的としている。まず、「リン酸カルシウムコーティング層の作製条件」を検証したところ、照射強度や照射時間は一定量を超えると、リン酸カルシウムの粒子の付着量に変化がなくなり、上限があることが明らかにしてきた。また、殺菌効果については、同じ照射強度、照射時間でも対象となる細菌の濃度には適正濃度があること、その適正濃度は細菌の種類によって異なることが明らかとなった。一方、「CaP コーティング層の表面性状、生体親和性」について解析したところ、菌種によってはリン酸カルシウム自体が細菌の増殖を助長していることが確認された。そこで、新たにこれまでと異なる抗菌ペプチドを付与したリン酸カルシウムナノ粒子を製作し、同細菌に対して殺菌試験を行ったところ、リン酸カルシウム自体による細菌増殖効果が抑制されることが明らかとなった。現在は同リン酸カルシウムナノ粒子の遺伝子導入効率や生体親和性をインプラント周囲に存在する歯周組織関連細胞を用いて検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
菌種によっては、ベースとなるリン酸カルシウムが細菌増殖を助長させていることが明らかとなったことから、より効果的な抗菌コーティング層を確立するため、新しい抗菌性リン酸カルシウムナノ粒子の作成を行っていた。そのため、当初予定していたインプラント周囲炎に対する治療効果をまだ検証できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年では、これまでの結果を基に、複数種のリン酸カルシウムナノ粒子を用いてインプラント周囲炎に対する治療効果を比較検証する。
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Causes of Carryover |
実験結果から得られた知見により一部実験計画に遅れが生じ、その結果、実験の一部を履行できていない部分があった。次年度、予定の実験を行う予定でいる。
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