2021 Fiscal Year Research-status Report
In situ組織工学アプローチによる真の歯周組織再生獲得に向けた治療基盤の確立
Project/Area Number |
20K10011
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
白方 良典 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (60359982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 利明 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60381183)
篠原 敬哉 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (30761647)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周組織再生 / 生理活性物質 / 塩基性線維芽細胞増殖因子 / エナメルマトリックスデリバテイブ / 骨移植材 / スキャホールド / 担体 |
Outline of Annual Research Achievements |
線維芽細胞増殖因子を主成分とするリグロス(bFGF)が歯周組織再生療法に導入され良好な臨床結果が報告されている。しかしゲル製剤であるため1壁性骨欠損では骨移植材との併用が望ましいと考えられる。そこで本研究では, bFGFと各種骨移植材併用の歯周組織再生効果について実験動物を用いて比較検証を行った。 骨移植材はβリン酸三カルシウム(βTCP), 炭酸アパタイト(CO3Ap), および脱タンパク牛骨ミネラル(DBBM)を用いbFGFの各骨移植材への吸着能をELISAにて定量した。ビーグル雄成犬(3匹)の下顎前臼歯に1壁性骨欠損を外科的に作製し, bFGFとβTCP, CO3Ap, DBBM各々との併用移植(bFGF/βTCP, bFGF/CO3Ap, bFGF/DBBM群)とbFGF単体(bFGF群)を無作為に施した。術後10週で動物の安楽死を行い脱灰標本を作製し, H&Eおよびアザン染色後, 組織学的評価を行った。 ELISAの結果, bFGFの吸着量はCO3Apが最大でβTCPより有意に高かった。移植材周囲の骨添加は様々なレベルで認められたが移植材の残留はbFGF/βTCP群で最も少なく, bFGF/DBBM群で最大であった。組織形態計測の結果, bFGF 群より骨移植材併用群で歯周組織再生量は多く, bFGF/DBBM群が最大で新付着量は他群より有意に多かった。この結果は各移植材の吸収性, 骨伝導能さらにbFGFの吸着/徐放能の違いに起因すると考えられた。 イヌ1壁性骨欠損において, bFGFとDBBMの併用処置はbFGF単独およびβTCP, CO3Apとの併用処置より効果的に歯周組織再生を促進する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトのpreliminary dataが得られたので次年度は追試を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
In vivo試験にあたりさらにばらつきを生じない実験動物選定を厳密に行う。
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Causes of Carryover |
今年度の動物実験に関わる消耗品は前年度のもので対応できる部分が多くあり当初の予定を下回る顎で対応可能であった。
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