2021 Fiscal Year Research-status Report
次世代型生体吸収性アパタイト表面被覆Mg合金の骨表面変化に関する研究
Project/Area Number |
20K10012
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野添 悦郎 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (40208351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣本 祥子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (00343880)
花田 幸太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (00357790)
嶋 香織 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10343526)
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体材料 / 生体吸収性材料 / マグネシウム合金 / アパタイト被膜加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
マグネシウム(Mg)は生体必須元素であり、Mg合金はその性状が骨の弾性と類似し、骨接合材としての最適な剛性を有する。さらに生体内で腐食(溶解)・吸収される特性が認められる。一方、Mgが生体内で腐食・吸収される際に水酸化物イオンと水素ガスが発生し、強度が低下するため、そのコントロールが必要とされる。近年Mg合金の生体吸収性医療用材料としての開発研究が行われており、申請者らは、合金の開発・加工法の確立ならびに合金表面へのアパタイト(A)被膜の生成法を確立して水素ガス発生をコントロールし、Mg合金を骨接合材や歯科インプラント治療における骨増生術に利用することを目指している。申請者らが開発・加工したアパタイト被覆Mg(A-Mg)合金の、骨内および骨周囲における強度および腐食(溶解)の様相の経時的な変化ならびに骨修復への効果を検証し、次世代生体吸収性デバイスの開発を目指すことを目的としている。今回、金属表面にアパタイトコーティングしたマグネシウムプレートとスクリューをウサギ大腿骨に埋入する実験を行った。 日本白ウサギ雌(体重3kg)10羽を用いて、マグネシウム金属プレートをマグネシウム金属スクリューにて大腿骨に埋入した。用いた金属はMg-Ca合金で、水酸アパタイト、炭酸アパタイトおよび被膜処理の無いものとし、それぞれ標本数は3とした。5羽は2か月、5羽は6か月経過したのちに試料の採取を行った。採取した試料は、マイクロCT撮影後、現在、非脱灰研磨トルイジンブルー染色標本作製中である。 また、ウサギ3羽の大腿骨の皮質骨に切断面を作製し、炭酸アパタイト被膜マグネシウム金属を前述と同様に埋入した骨折モデル実験を行い、すでに試料の採取は終了し、樹脂埋入ブロック作製を依頼中である。 上記の通り、すでに動物埋入実験は完了しており、今後、得られた試料からのデータの解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染拡大のために、金属埋入開始が遅れたため、研究全体の進行はやや遅れているが、動物埋入実験が完了し、試料のデータ解析の段階となっている。遅れを取り戻し計画が遂行できているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、非脱灰トルイジンブルー染色標本の分析評価とマイクロCTによる画像評価により、アパタイト被膜によるマグネシウム金属腐食効果の評価、ならびに被膜アパタイトの違いによる影響などを分析する予定である。
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Causes of Carryover |
動物実験に係る経費、採取した試料に対して行う樹脂埋入ブロックの作製と非脱灰トルイジンブルー染色標本の作製およびマイクロCT装置の使用料金の支払いに使用する予定である。
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