2022 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型生体吸収性アパタイト表面被覆Mg合金の骨表面変化に関する研究
Project/Area Number |
20K10012
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
野添 悦郎 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (40208351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣本 祥子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 構造材料研究拠点, グループリーダー (00343880)
花田 幸太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究グループ長 (00357790)
嶋 香織 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10343526)
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 生体吸収性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが開発・加工したアパタイト被覆Mg(A-Mg)合金の,骨内および骨周囲における腐食(溶解)の様相の経時的な変化ならびに骨修復への効果を検証し,次世代生体吸収性デバイスの開発を目指すことを目的とした. 実験の概要・・ウサギ左右大腿骨にMg金属プレートをスクリュー3本にて固定,埋入した.使用する金属はMg-Ca(X08)合金とし,被膜なし,水酸アパタイト(HA)被膜あり,炭酸アパタイト(CA)被膜ありを埋入した.観察期間は,埋入後2か月,6か月とし,①単純X線による観察,②マイクロCTによる観察,③非脱灰研磨標本による検索,④大腿骨ならびに筋肉組織の組織標本による分析を行った. 結果・・1)X線観察において,すべてのプレートで,埋入後7日で埋入部位に最も広い範囲でのガス溜り像がみられた.その範囲は被膜のないプレートが最も広かった.2)HAならびにCA被膜処理を行ったプレートでは,被膜処理を行わないプレートに比べて,腐食・吸収量が少なかった.3)被膜処理を行わなかったプレートでは,金属表面全体に腐食する傾向がみられた.4)被膜処理を行ったプレートでは,被膜が裂開したと思われる部分から集中して生じる孔食がみられた.5)埋入期間の長い方が,プレートの腐食・吸収量は多く,それに伴う水素ガスの発生量も多くみられた.6)プレート直下の骨面の腐食・吸収像において,プレート設置時,骨とプレートが近接した症例では,プレート直下の骨面での骨の吸収像の増加とプレート全体を覆う骨の増生がみられた.一方,プレートと骨面に隙間のある症例では,プレートに接する面での骨の吸収像は少なく,またプレートを被うような骨の増生は見られなかった.
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