2021 Fiscal Year Research-status Report
タンパク質固定化により軟組織付着の獲得を目指したジルコニアインプラントの創製
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20K10021
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
早川 徹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40172994)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トレシルクロリド / ジルコニア / Y-TZP / 細胞接着タンパク質 / フィブロネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度には,ジルコニア表面にトロシルクロリド法を用いて細胞接着タンパク質であるフィブロネクチンを固定化する手法を確立できた.令和3年度は動物埋入実験により,フィブロネクチン固定化ジルコニアの生体適合性,特に骨適合性についてまず調べた.ラット脛骨にドリリングにて欠損を作製し,フィブロネクチン固定化ジルコニアプレートを埋入した.その結果,フィブロネクチンを固定化すると骨形成が促進されることが分かった.現在,定量的な解析を実行中である. 次に,本研究の主題である軟組織適合性向上を目指して,動物実験用試料としてCAD/CAM法にてシリンダー型ジルコニアインプラントを作製した.ジルコニアインプラントの表面処理は,削り出しとサンドブラストの2種類とした.まず,シリンダー型インプラントへの固形化条件を検討し,その結果,表面処理を施したシリンダー型インプラントを小型るつぼ内でトレシルクロリド溶液に浸漬後,37℃にてトレシルクロリド溶液を蒸発させることでジルコニアのトレシル化が効率良く進行することが分かった.その後,フィブロネクチン溶液にトレシル化ジルコニアシリンダーを浸漬し,フィブロネクチンを固定化した.シリンダーラットの臼歯抜歯窩にシリンダー型インプラントを埋入した.現在,埋入試料を取り出し,通法に従い,脱水,固定を行って,樹脂包埋中である.今後,非脱灰薄切研磨標本を作製して,軟組織付着について検討を行う.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大により,実験の遂行が滞ってしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
トレシルクロリド法を用いてフィブロネクチンを固定化ジルコニアプレートの骨適合性および固定化ジルコニアシリンダーの軟組織付着性について定量的な評価を行っていく.さらにフィブロネクチン以外の細胞接着タンパク質であるコラーゲンやラミニンをシリンダー型ジルコニアインプラントに固定化し,軟組織付着をラット抜歯窩への動物埋入実験によって定性的および定量的に評価し,検討を行っていく.
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Research Products
(2 results)