2022 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質固定化により軟組織付着の獲得を目指したジルコニアインプラントの創製
Project/Area Number |
20K10021
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
早川 徹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (40172994)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トレシルクロリド / ジルコニア / Y-TZP / 細胞接着タンパク質 / フィブロネクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
CAD/CAM法にて製作したシリンダー状Y-TZP試料を動物実験埋入に用いた.機械加工処理されたY-TZP試料にアルミナ粒子を用いてサンドブラスト処理を行った後にフッ酸処理を施した(サンドブラスト+フッ酸処理).トレシルクロリドをY-TZP試料表面全体に塗布し,37℃で2日間反応させ,トレシル化Y-TZPを作製した.その後,0.5 mg/mLのフィブロネクチン水溶液にトレシル化Y-TZPを浸漬し,37℃で7日間反応させ,フィブロネクチンの固定化を行った. 6週齢のWistar系ラット(雄)の上顎第一大臼歯を鉗子にて抜歯を行い,抜歯窩にインプラント体の埋入を行った.インプラント体としては,サンドブラスト+フッ酸処理(SLA)群,フィブロネクチン固定化(Fn/SLA)群の2群を用いた.インプラント埋入3週後に,試料を周囲組織とともに採取し,ホルマリン固定,アルコール系列による脱水処理を行い,メチルメタクリレートレジンにより包埋した.その後,非脱灰研磨標本を製作し,偏光顕微鏡にて軟組織の付着状態およびコラーゲン線維維の配向状態について観察した. その結果,SLA群,Fn/SLA群を,どちらもインプラント体に付着している軟組織の存在が確認できた.偏光顕微鏡により,コラーゲン線維の配向状態を観察したところ,SLA群ではインプラント体に並行に配列している線維が多く存在していたが,Fn/SLA群では天然歯類似のインプラント体に垂直に配向しているコラーゲン線維束が観察された.Fn固定はコラーゲン線維維の配向に影響している可能性が示唆された.
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Research Products
(4 results)