2022 Fiscal Year Annual Research Report
歯根膜の完全な再生を目指した意図的再移植法の新規開発
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20K10032
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長澤 麻沙子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40612239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚島 勝美 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50213400)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯根破折 / 歯根膜 / セメント質 |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦でもう蝕や歯周病による歯の喪失が減少している一方、相対的に歯根破折による歯の喪失は年々増加している。天然歯をできるだけ保存するという観点から、4-META/MMA-TBBレジンセメントを用いて歯根破折歯を修復して再植する、いわゆる意図的再植が行われているが、その臨床データは少なく、現状では治療の信頼性が高いとは言えない。研究代表者らは近年精力的に意図的再植を行っており、その結果3年経過後でもその70~80%が機能している。しかしながら、破折線相当部位の歯周ポケット残存や、接着材料の劣化による再破折の問題は解決できていない。そこで、本研究課題の目的は、歯根破折修復後の破折線に沿って露出が避けられない接着材料の表面にセメント質の再生を促し、歯根膜を完全に再生させることである。初年度は我々が開発したラット歯根破折修復モデルを用い、様々な生体充填材料を併用して歯根破折修復を行い、周囲組織の組織学的・形態組織学的検索を行った。しかしながら既に臨床応用されている生体充填材料のみでは材料表面に硬組織(セメント質)の誘導を試みることはできなかった。21~22年度はGrowth factor(ヒトbFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)、EMD(エナメルマトリックスデリバティブ・アメロジェニン))を併用し、さらに4META/MMA-TBBレジンセメントにハイドロキシアパタイトを混和させた材料を用いた。組織学的検索において、材料表面には炎症を伴うことなく、硬組織用の組織や軟組織の再生が認められた。しかし、EMDを併用した場合、硬組織用組織の再生が材料表面に認められるが同時にアンキローシスも伴うこともあった。今後は各材料の試適濃度をより詳細に検討する必要がある。
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