2020 Fiscal Year Research-status Report
パーキンソン病における嚥下障害の発生機序解明と症状改善の試み
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20K10042
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 義英 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20287775)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 嚥下反射 / 上喉頭神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、嚥下反射が赤核の電気および化学刺激により減弱されることを明らかにした(Satoh et. al.2015)。また、赤核は外側網様核と神経連絡があることが解剖学的研究から報告されている(Holstege and Tan, 1988; Hrycyshyn and Flumerelt, 1981; Shokunbi et al.,1986; Rajakumar et al., 1992; Ruigrok, 2004)。脊髄小脳失調症の主な症状に嚥下障害があり(Kawai et al.,2009)、赤核や外側網様核などに変性が見られることが報告されている(Durr et al., 1996; Rub et al., 2002, 2003; Schols et al., 2004) 。こららのことから外側網様核が嚥下に関与している可能性が考えられる。しかし、外側網様核の嚥下における役割は明らかにされていない。そこで外側網様核電気刺激に対する嚥下反射への影響を検索した。 嚥下反射は上喉頭神経連続電気刺激により誘発し、顎舌骨筋の筋電図活動から同定した。初めに上喉頭神経単独刺激を行い、次に上喉頭神経と外側網様核の同時刺激を行い、最後に再び上喉頭神経単独刺激を行った。記録終了後に脳切片作成と染色を行い、脳刺激部位を確認した。 上喉頭神経と外側網様核の同時刺激により、嚥下回数は上喉頭神経単独刺激に比べ減少し、嚥下誘発開始時間は長くなった。また、上喉頭神経と外側網様核周辺部の電気刺激は、嚥下回数や嚥下誘発開始時間に影響を及ぼさなかった。外側網様核は嚥下の制御に関係しているという可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外側網様核は嚥下の制御に関係しているという可能性が示唆されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
外側網様核へのグルタミン酸微量注入により、嚥下反射に影響が出るか検索する。また嚥下中枢と解剖学的に神経連絡がある部位の刺激により、嚥下反射に影響が出るか健常ラットとパーキンソン病モデルラットで検索する。
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Causes of Carryover |
振込手数料の計算を誤ったため次年度使用額が生じた。次年度使用額と翌年度分として請求した助成金は、主に実験材料費に使用する。
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