2020 Fiscal Year Research-status Report
力学・機能評価による最適化アタッチメントに基づくインプラント支持部分床義歯の構築
Project/Area Number |
20K10045
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野川 敏史 北海道大学, 大学病院, 助教 (80759332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 正恭 北海道大学, 歯学研究院, 特任准教授 (00133752) [Withdrawn]
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20210627)
高山 芳幸 北海道大学, 大学病院, 講師 (30236369)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ISRPD |
Outline of Annual Research Achievements |
部分欠損の補綴方法として、支持能力を強化する目的でインプラントを支台として用いたインプラント支持部分床義歯(ISRPD)がある。インプラント単独で補綴を行うより侵襲が少なく費用負担も少ない。さらに、通常の部分床義歯と比較して高い満足を得ることができる。しかし、インプラント支持部分床義歯をより効果的に用いるためにどのようなアタッチメントを選択すればいいかは不明である。そこで、本研究では、患者のCT画像から3Dモデルを構築し、既存のアタッチメントでISRPDの挙動応力解析と患者に装着した状態での臨床機能評価を行い、これらの評価から、ISRPDに最適なアタッチメントの要件を検索し、新規アタッチメントの設計・構築、挙動応力解析を行うこととした。 第1年度である令和2年度には、挙動応力解析のためのシミュレーション模型の製作と臨床機能評価のための臨床研究計画立案を行った。 シミュレーション模型製作のための、CTデータは先行研究で利用したデータを活用し、3Dモデルを構築し、3Dプリンタで顎骨と支台歯の実態模型の製作を行った。支台歯の歯冠補綴を製作し、疑似粘膜上に義歯フレームを製作した。各種アタッチメントを臨床に即した形態に加工を行った。アタッチメントは義歯フレームから着脱できる機構にするための検討を行っている。 また、臨床機能評価のため、臨床研究の計画を立案した。当初は、「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に該当する介入研究を想定していた。しかし、倫理審査委員会からの指摘により、臨床研究法に基づく特定臨床研究として実施することとなり、国立大学法人北海道大学臨床研究審査委員会に申請を行った。現在、事前審査を受けており、プロトコル改訂を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
シミュレーション模型の製作がやや遅れている。 当初は、各アタッチメントに対して義歯を3つずつ製作する予定であったが、精度と予算的な問題から、アタッチメントのみを交換できる機構に設計を変更したことにより、着脱システムの検討に時間を要している。 臨床研究は「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に該当する介入研究を想定していたが、倫理審査委員会からの指摘により、臨床研究法に基づく特定臨床研究として実施することとなり、国立大学法人北海道大学臨床研究審査委員会に申請を行った。臨床的機能評価に関しては、当初予定通りの進捗である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在製作中のシミュレーション模型を完成させ、応力挙動解析を実施する。 現在申請中の特定臨床研究が承認されたのちに、患者登録を進め、臨床的機能評価を行う。
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Causes of Carryover |
シミュレーション模型の設計検討に時間を要しており、第1年度で予定していた模型製作費の支出が一部残っているため次年度使用額が生じた。また、新型コロナウイルスの影響により研修および情報収集のための旅費が発生しなかった。次年度にはシミュレーション模型製作費の支払いを行う。また、臨床評価に関する機器の購入と機器使用のための研修会の受講および情報収集のため学会参加の旅費として使用する予定である。
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