2020 Fiscal Year Research-status Report
Research for the musculoskeletal simulation based on biological data
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20K10047
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
重光 竜二 東北大学, 大学病院, 助教 (00508921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智哉 東北大学, 大学病院, 助教 (10845902)
田原 大輔 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (20447907)
小川 徹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋骨格解析 / 顎関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画に基づいて患者別筋骨格解析における境界条件設定アルゴリズムを構築した。 すなわち、歯科治療を受ける個々の患者さんの顎の関節の動きを生体シミュレーション上で再現する試みである。具体的には、最初にチェアサイドで計測した顎関節症患者における治療前、治療前後、経過観察時の顎運動を3次元座標データで出力する。同運動データに対して、デジタルフィルター処理を実施することにより、計測時のノイズ除去を行う。プロセシング後の運動データを筋骨格解析ソフトウェア(AnyBody)にインプットし顎関節の形状を再現した拘束面を設定する。同拘束面上で出力した3次元座標データに基づいて顎骨コンポーネントの動作定義をし、ヒト下顎骨の左右側下顎頭の動きを再現する。 以上により、患者個々にバライティを有する顎の動きを筋骨格シミュレーション上で再現することが可能となる。本年度は、同解析を用いた患者別の顎運動のみならず、顎関節反力、筋活動量、筋力、等の生体内では計測が難しい生体力学・運動学的パラメータの推定に成功している。実際に顎関節症を有する被験者の解析においては、患側・健常側における各種パラメータ間において左右差が認められており、臨床症状に対して生体が適応している可能性を裏付ける結果が認められている。この種の運動解析はスポーツ科学や医科整形学分野などでの応用は進んでいるが、研究代表者の知る限りでは、歯科領域における臨床データの適応は世界初である。 次年度以降、解析の妥当性の検証とともに被験者数を増やし臨床データに基づいた筋骨格解析の確立へ向けて研究計画を遂行する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に基づいて、患者別拘束条件の設定と動作定義を完了しており、予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、筋骨格解析により計算された生体力学的パラメータに基づいて主成分分析およびクラスター解析を実施する予定である。主成分分析によって、被験者毎に異なる運動の構成要素を解析することが可能となり、さらにこれをクラスター分析することによって顎運動計測に基づいた臨床的症型分類が可能となる。
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Causes of Carryover |
次年度の日本国内でのソフトウェア購入のために一部予算を繰り越しているため。
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Research Products
(3 results)