2020 Fiscal Year Research-status Report
義歯床深層にカンジダ菌を定着させない抗菌性義歯床用材料の開発
Project/Area Number |
20K10052
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
阿部 泰彦 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (00253097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 洋平 広島大学, 病院(歯), 助教 (00706898) [Withdrawn]
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 義歯床 / カンジダ菌 / 抗菌性 / 塩化セチルピリジニウム(CPC) / モンモリロナイト |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔カンジダ症は、カンジダ菌による口腔感染症で、主に、抵抗力の減弱した高齢者や免疫不全、ステロイド治療、および抗生剤の不適切な長期使用に該当する患者に発症する。一般に、適切な抗真菌薬の使用で症状は軽快・治癒する。しかしながら、カンジダ性の義歯性口内炎では、再燃を繰り返すことが知られており、この原因は義歯がカンジダ菌の温床になっているからである。カンジダ菌は、義歯床粘膜面に容易に定着するため、通常、義歯用ブラシによる機械的清掃と義歯洗浄剤による化学的洗浄により、カンジダ菌の定着は予防される。しかしながら、このような義歯の衛生管理を行ったとしても、義歯床粘膜面(表層)や床内部(深層)に定着したカンジダ菌は完全に消失せず、口腔カンジダ症は再燃する。そこで、カンジダ菌が義歯床深層まで定着する実験モデルを構築し、このモデルを用いて抗菌性義歯床用材料の検証を行うことで、抗菌性義歯の実用化を目指す。 2020年度の研究課題は、義歯床深層にカンジダ菌が定着する実験モデルを構築する予定であった。しかし、年度前半は、新型コロナウイルス感染症禍の影響で、実験に使用する材料・器具・試薬の入手が困難となり、本研究を開始することができなかった。年度後半は、徐々に実験に使用する上記物品の入手が可能となり、実験試料の作製を行っている途中であるが、各種試験を開始できていない。したがって、本年度の研究課題である実験モデルの構築はできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度前半は、新型コロナウイルス感染症禍の影響で、実験に使用する材料・器具・試薬の入手が困難となり、本研究を開始することができなかった。年度後半は、徐々に実験に使用する上記物品が入手可能となり、実験試料の作製を行っている途中で、各種試験を開始できていない。したがって、本研究課題の進捗状況は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、まず、2020年度の研究課題である義歯床深層にカンジダ菌が定着する実験モデルの構築を実施する。その後、2021年度の研究課題である義歯床用材料への無機系抗菌剤の最適な低配合量の探索を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度前半は、新型コロナウイルス感染症禍の影響で、実験に使用する材料・器具・試薬の入手が困難となり、本研究を開始することができなかった。年度後半は、徐々に実験に使用する上記物品が入手可能となり、実験試料の作製を行っている途中で、各種試験を開始できていない。 2021年度は、まず、2020年度の研究課題である義歯床深層にカンジダ菌が定着する実験モデルの構築を実施する。その後、2021年度の研究課題である義歯床用材料への無機系抗菌剤の最適な低配合量の探索を実施する予定である。
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