2022 Fiscal Year Annual Research Report
HiPIMS-DLC for Peri-implantitis Control
Project/Area Number |
20K10053
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
二川 浩樹 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10228140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 裕一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 講師 (60605989)
田地 豪 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (80284214)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HiPIMS / DLC / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / インプラント周囲炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント周囲組織に生じる炎症性病変はインプラント周囲粘膜炎とインプラント周囲炎に分類され、インプラント喪失の要因の一つとされている。2015 年のシステマティックレビューから、インプラント周囲粘膜炎には平均43%、インプラント周囲炎には平均22%の患者が罹患しているとされており、高い割合を示していることが明らかとなっている。これらの発症や病態の進展には複数の因子が関与していると考えられる。本研究では、インプラント周囲組織およびその微小環境に焦点を当て、インプラント周囲炎の制御に最適なDiamond-like carbon(DLC)の創出を目指し、特にHigh Power Impulse Magnetron Sputtering(HiPIMS, 高出力インパルスマグネトロンスパッタリング)法を用いて成膜下DLCの有用性について、基盤的な知見を得ることを目的としている。 本研究期間において、in vivoにおいては、抜歯窩に即時埋入するマウスオッセオインテグレーションモデルを確立した。また、純チタンと複数のDLC成膜チタンに対して培養細胞を用いたin vitro実験を実施した。その結果、DLC薄膜の成膜法の違いによって、歯肉上皮細胞の増殖、破骨細胞および骨芽細胞の分化を制御できる可能性を明らかにした。一方で、最適と想定されるDLCの成膜法は、対象となる細胞ごとに異なることが示唆された。 本研究結果により、DLC薄膜によるインプラント治療の長期的安定に貢献しうる知見を深めることができたと考える。
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