2022 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル画像を応用した咬筋内部筋線維動態の解析手法の確立
Project/Area Number |
20K10066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
庄原 健太 東北大学, 大学病院, 助教 (50845906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 徹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50372321)
橋本 照男 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (40553756)
依田 信裕 東北大学, 大学病院, 講師 (20451601)
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯学 / 咬筋 / MRI / 顎関節症 / DTI |
Outline of Annual Research Achievements |
拡散テンソル画像(DTI:Diffusion tensor imaging)は,組織内の水分子の拡散方向を探知することで生体内の線維状走行を捉える手法であり,神経線維のみならず現在では四肢の骨格筋線維の走行解析に応用されている.本研究は,DTI解析を応用し咬筋内部の筋線維走行の3次元的に捉える手法を確立し,さらに種々の下顎運動時におけるその形態変化の詳細を捉えることを目的とする.本研究は,咀嚼筋でみられる局所的な筋痛の発現機序の解明,さらに患者個々の筋痛発症の原因の診断,治療へと臨床展開するための基盤となる基礎研究である. 上述の通り,これまでDTIを応用した解析は主に脳神経分野で活発に行われてきたため,これらの解析に用いられるソフトウェアもほとんどが脳神経への応用を前提としたものであった.また,骨格筋への応用例は増加してきているが,骨格筋よりも複雑な形態を有す多羽状筋である咬筋を扱った研究は稀有であり,撮像方法も定まってはいない.そこで今年度は,咬筋に適した撮像条件設定を選定し,データ解析手法の確立を行った.DTIを応用して生体内の線維構造解析を行う手法をファイバートラクトグラフィーと呼ぶが,この結果に大きく影響を及ぼす撮像条件設定として,b値,撮像加算回数,傾斜地場軸数があげられる.これらの設定が咬筋筋線維描出にどのような影響を及ぼすかについて,撮像条件に複数のパターンを設け,5名の健常被験者の撮像を行い解析した.解析に関しては, 咬筋の複雑な線維構造に対応できるよう新たな形態解析ソフトウェアを構築した. この結果,過去の解剖学的知見と照らし合わせてもDTIによって得られる線維の線維長および線維方向はおおむね妥当であることが確認された.一方で,咬筋のDTIファイバートラクトグラフィーにおいて,撮像条件の設定が線維長および線維方向の結果に影響を与えることが明らかとなった.
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