2021 Fiscal Year Research-status Report
区画化型スキャンストラテジーを駆使した歯科補綴装置の高機能・長寿命化
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20K10068
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高市 敦士 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30707047)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 積層造形 / 残留応力 / SLM |
Outline of Annual Research Achievements |
近年新たな歯科補綴装置製作手法としてレーザー積層造形法(SLM)法の応用が注目を集めている。SLM法で製作した歯科補綴装置は従来の歯科鋳造法と比較して、単純なクラウン構造では適合精度が優れているという報告が認められる一方で、ブリッジや義歯メタルフレームなどの複雑で大きな補綴装置では従来法より劣っており、未だ臨床応用例が少ないのが現状である。SLM法では造形過程において金属粉末の溶融・凝固を繰り返す際に造形体に急激な温度勾配に起因した残留応力が発生し、変形が生じることが明らかになっている。本研究では歯科補綴装置の設計に応じて最適化されたレーザー走査条件を解明するとともに歯科補綴装置造形中の残留応力による寸法変化を抑制するために新たに考案した補綴装置の構造レベルで区画化するレーザー走査法の有効性を検証し、歯科補綴装置の高機能・高寿命化を達成するための新たな造形条件の構築を目的としている. 下顎右下第2小臼歯欠損に対して右下第1大臼歯および第1小臼歯を支台装置としたブリッジを製作することを想定した下顎模型を歯科技工用スキャナーにてスキャンした。得られた3D模型データを基に歯科用CADソフトを用いて3ユニットのブリッジメタルフレームを設計し、ポンティック連結部で分割後にオーバーラップ幅を0mm、0.1mm、0.2mm、0.3mmの4条件で造形した。その結果オーバーラップ幅が0.2mm以上で緻密な造形が可能であることが確認された。0.2mmオーバーラップさせた条件でブリッジを造形して適合性を評価した。造形後の熱処理を行わなかった場合にはサポート切断時に残留応力による変形で支台歯との適合を評価することはできなかった。熱処理を行ったものは模型に復位することが可能であった。適合性は測定部位により異なり試験群が優れる場合と同程度である結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大により実験の進捗は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度同様に試験や実験での立ち会いが困難な場合には事前に十分なオンラインミーティングを行い試験自体は依頼試験という形式を用いて対応する予定である。
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Causes of Carryover |
前年度および今年度がコロナの影響で実験進行が遅れているため。次年度にこれまで遅れていた試験を行なっていく予定である。
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