2022 Fiscal Year Research-status Report
区画化型スキャンストラテジーを駆使した歯科補綴装置の高機能・長寿命化
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20K10068
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高市 敦士 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (30707047)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 積層造形 / ブリッジ / 残留応力 / 適合性 / SLM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では歯科補綴装置の設計に応じて最適化されたレーザー走査条件を解明するとともに歯科補綴装置造形中の残留応力による寸法変化を抑制するために新たに考案した補綴装置の構造レベルで区画化するレーザー走査法の有効性を検証し、歯科補綴装置の高機 能・高寿命化を達成するための新たな造形条件の構築を目的としている. 残留応力において、X軸方向では区画化型スキャンストラテジーを適応することにより、通法より応力低減が可能であることが明らかとなった。区画化スキャンストラテジーは通法と比較して一回のスキャンベクトルをX方向において短くすることができており、残留応力が低減された可能性がある。一方でY軸方向では区画化型も通法もスキャンベクトルの長さはほとんど変化がないため、残留応力もY軸方向においては有意な違いが認められなかったと考えられる。 適合試験では、区画化型と通法で有意な差を認めなかった。残留応力においては、X軸方向では区画化法において有意に低下していたが、今回製作した形状のブリッジに関しては適合性を改善するほどの影響はなかった。試料の内部観察は、試料内部の状態を非破壊で観察することができるマイクロフォーカスX線CTシステムを用いて行った。今回使用したシステムでは解像度が10μm程度であるが、積層に用いた粉末の平均粒径は20~30μmであることを考えると、造形中のほとんどの気泡数を計測できたと思われる。特に気泡の内包が心配された連結部においても気泡はほとんど認められず、また通法と区画化法で有意差がなかったため、区画化法によるSLM法でのブリッジ造形でも内部性状には影響を与えずに積層を行うことが可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ感染拡大の影響で全体的に後ろ倒しになってしまっているが、最終年度延長を行い予定通りに研究遂行できる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果を論文にまとめ報告する。 また形状の違う補綴装置での有用性を検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染により全体的に計画が後ろ倒しになっているため。 今年度は異なる補綴装置の適合性試験を行うとともにすでに得られている研究成果に関する論文投稿および国際学会参加費用に当てる。
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