2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能低下症の観点からの顎顔面補綴治療の評価ー妥当性と有効性の包括的評価ー
Project/Area Number |
20K10073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
諸井 亮司 九州大学, 大学病院, 助教 (70325471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
築山 能大 九州大学, 歯学研究院, 教授 (10236870)
古谷野 潔 九州大学, 歯学研究院, 特別教員 (50195872)
荻野 洋一郎 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (50380431)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 顎顔面補綴 / 口腔機能低下症 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度も前年度同様に、上下顎欠損患者(主に腫瘍を要因とする)、舌欠損患者における口腔機能計測を行った。口腔機能低下症の診断基準に従い、口腔不潔(舌の視診による診断)、口腔乾燥(口腔水分計を用いた舌の湿潤度の計測)、最大咬合力(咬合圧計測シートを用いた計測)、咀嚼能力(グミゼリーの自発的咀嚼によるグルコース溶出量の計測)、最大舌圧(舌挙上の舌圧計を用いた計測)、舌・口唇運動機能(「ぱ」、「た」、「か」の連続発音による計測)、嚥下能力(EAT-10を用いたアンケート形式による調査)の7項目の計測を主として行った。さらにこれら口腔機能と患者のプロファイル(口腔状態:年齢、性別、残存歯数、顎欠損理由、範囲、生じた時期、咬合支持数、再建手術の有無など)も併せて抽出している。前年度から現在までに上下顎欠損併せて80名ほどの計測を行った。特に、形成外科とのコラボレーションが確立しつつあり、その意味では下顎区域欠損の患者の数も前年度よりも増加した。下顎区域患者数は少なかったために、この1円間は本研究の意義という観点からも大きく進歩したと考えている。 口腔機能のリハビリのひとつとして舌の運動機能のトレーニングを行っている。これにより、患者の舌運動をはじめとした口腔機能にどのような影響を与えるか、併せて検証している。 また、口腔機能として重要な味覚についても検証を行っている。味覚センサーを共同で購入し、口腔機能との関連を検証し始めた。今後は被験者数を増やし、その関連を検証していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々の診療科に来院した当該患者ほとんどで計測ができている。計測に必要なすべての項目は計測できており、さらには縦断的な計測(義歯装着後、時間経過に伴った複数回の計測)も行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も同様に計測を継続する。しかし、患者の特異性から場合によっては患者の数が十分に集まらない可能性はあるが、当初に予定通りデータの収集を試みていく。また、他科との連携を現状以上に図れるよう、積極的な声掛けを行っていきたい。
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Causes of Carryover |
研究計画立案当初に予定していた学会出張がなかったために全経費の使用ができなかった。しかし、現在のところ、複数の学会において出張ができるような事態になっており、当該研究の成果発表に研究費を使用する予定である。また、対象患者が増加したことにより、縦断的な計測は今後も増えていくことが予想される。ゆえに物品費はこれまで以上の支出となる可能性があるため、その経費に充当したい。
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