2020 Fiscal Year Research-status Report
無線型振動刺激を用いたスプリントによる睡眠時ブラキシズムの長期抑制効果の検証
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20K10076
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高場 雅之 昭和大学, 歯学部, 講師 (30384192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 岳史 昭和大学, 歯学部, 教授 (10196694)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / バイオフィードバック / オーラルアプライアンス / 咬筋筋活動 / 簡易型睡眠検査 |
Outline of Annual Research Achievements |
睡眠時ブラキシズム(SB)は顎口腔系に破壊的に作用し,補綴歯科領域では治療予後と患者QOLを左右する重要なファクターであるが,一般に行われるのは画一的なスプリント療法のみである.また,患者のSB筋活動レベルには日々の変動(日間差)が認められることから,日常のSB重篤度を患者自身が簡便に把握し得る方法が確立されれば治療のコンプライアンス向上が期待できる.研究代表者らは生体反応を利用するバイオフィードバック療法に着目し,咬合力による歪み検出を基にした歯列への振動刺激により,SBレベルの測定と同時にSB関連咀嚼筋筋活動を抑制するオクルーザルスプリントを開発した. この装置はOA内部に埋入された感圧センサで咬合圧を検出して振動を歯列に与える構造をとり,機械刺激となる振動が閉口筋活動抑制に働くと予測されている.研究代表者らはこれを基盤として,SBレベルの測定と同時に,振動刺激によるSB関連咀嚼筋筋活動の抑制を可能とする振動刺激OAを新たに開発し,これをSB患者に適用し,装着直後にSBエピソード数が25%,SB持続時間が57%有意に減少したことを報告した.一方で,この減弱効果には個人差も大きいことを見出し,OAには長期使用に伴う筋活動抑制効果の減弱があることから,次段階として,振動刺激OAによるSBの診断精度,振動刺激OAの適応となる患者の条件,振動刺激OAを継続使用させた場合のSB抑制効果について検証を行う必要がある. 本研究では,オクルーザルスプリントへの順応を考慮して,装置を長期適用した場合のSB抑制効果とSBレベルの診断精度を検証するとともに,スプリント使用下での筋活動パターンを解析し,装置による抑制効果の反応性との関連を明らかにする.これにより治療法の可能性とその適用を探り,新たな視点に基づいたSB診断法と患者個人に合ったSB治療法の確立を目指す.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
測定が長期に渡ることを鑑み,昭和大学歯学部の教職員および学生のうち,20歳以上の者から被験者を募集する.目標被験者数は先行研究データと脱落等を鑑み20名を設定し,現在は10名がエントリーしている.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍において,被験者の募集およびデータの回収は困難であるが,継続して被験者の動員を行う. 得られたデータに関しては,順次解析を行っていく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍において国内・国外出張ができなかった.
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