2021 Fiscal Year Research-status Report
嚥下機能改善を目的とした口唇周囲筋のトレーニングプログラム開発と介入基準作成
Project/Area Number |
20K10078
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
唐帆 純子 (中島純子) 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (20534853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 克彦 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40433958)
片山 正輝 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (00286494)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摂食嚥下障害 / 口腔機能 / 口唇閉鎖力 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは先行研究において、摂食嚥下リハビリテーションに関する数ある基礎訓練の中でも、口腔周囲筋の運動が高頻度に実施されている実態を明らかにしてきた。しかし、その訓練方法は統一されておらず、介入基準も十分検討はされていない。本研究では、口唇や筋の筋力など、口腔周囲の筋力と嚥下機能の関連を検討し、嚥下機能改善に効果的な訓練方法や介入基準を検討することである。今年度は、口唇周囲の筋力と嚥下障害、口腔機能低下の関連を明らかにすることを目的として研究を施行した。本邦では口唇周囲の筋力に対して2種類の計測装置が用いられることが多いため、両測定方法によって得られる値の相関と、嚥下障害、口腔機能等との関連を検討した。 2022年2月時点で148名を対象に計測を行った。そのうち、摂食嚥下障害の既往がない常食摂取者(健常群)25名(平均年齢76 .9±6.3歳),嚥下機能が低下した入院患者28名(平均年齢78.0±13.4歳)を対象とした解析を行った。口唇周囲の筋力は口唇閉鎖力測定器を用いたLip Seal Strength (LSS),口唇力測定器を用いたLip Closure Strength (LCS)を測定し,最大舌圧,オーラルディアドコキネシス(OD)/ta/,握力,下腿周囲長等との関連を検討した。LSS,LCSの平均±S.Dは,健常群で10.1±2.9N,9.2±4.3N,嚥下機能低下群で7.5±4.2N,6.6±5.1Nで,LSSとLCSに相関関係(健常群:r=0.58, p=0.03,嚥下機能低下群:r=0.60, p=0.001)を認めた。健常群では,LSS,LCSはSMI,握力と有意に相関し,舌圧はLCSのみと有意な相関を認めた。嚥下機能低下群では,LSS,LCSは舌圧,ODと有意に相関し,握力はLCSのみと有意な相関を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始の2020年4月から緊急事態宣言が発令されたため、変則勤務や倫理委員会の開催が延期されたため、研究開始が遅延した。また、介入研究に関しては患者との頻回の接触が必要となるため、積極的に施行ができる環境とは言い難い。そのため、嚥下障害に関連する口唇閉鎖力の基準の検討に重点をおいた研究にプロトコールを修正した。現在は、やや遅れてはいるものの着実にデータの蓄積を重ねている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の主題は、口腔周囲筋の筋力と嚥下障害の関連性を明らかにすることである。今年度は、本邦で行われている2種類の口腔周囲筋の測定方法により得られた値の相関と、他の口腔機能との関連性の統計解析を行った。 来年度は、嚥下造影検査やFunctional Oral Intake Scaleなどを用いた嚥下障害の評価と口唇閉鎖力の相関を検討し、嚥下障害のスクリーニングにおけるカットオフ値の設定の可能性を追求する。
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Causes of Carryover |
今年度は概ね、予定通りの出費となったが、学会がオンラインで開催されることが多く、学会出張費相当分が5万円弱余った。次年度の、消耗品購入費および学会出張費等に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)