2020 Fiscal Year Research-status Report
Development a new sequential masticatory test by using the sound of mastication to support the individual food intake and nutrition
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20K10079
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
河相 安彦 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50221198)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 央 日本大学, 芸術学部, 教授 (20307888)
堀畑 聡 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20238801)
伊藤 誠康 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80307876)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 咀嚼音 / 口腔健康管理 / 被験食品 / 嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度の実績は、研究班の立ち上げ(河相・伊藤・堀畑・鈴木・古賀・樽川)を行い、研究内容の共有を行った。また川上とは、音声データ分析方法の確認と実機購入の検証を行った。機器購入にあたり、島津製作所(小型卓上試験機:テクスチャーアナライザ (EZ-SX))の確認を、島津製作所東京支社で視察し、実際の計測を行わせていただいた。また小野測器(高機能サウンドレベルメータ騒音計およびオスコープソフト)については、大学の方まで実機デモ機を持参いただき、実際の六wオンを試験食品を用いて行い、データの収集方法と、解析方法について情報共有を行った。その結果、両機器の購入に至ったが、新型コロナウイルス感染症の拡大にともない、納入時間を要し、小型卓上試験機:テクスチャーアナライザ (EZ-SX)が年度末(3月)高機能サウンドレベルメータ騒音計およびオスコープソフトが12月の納品となった。現在、小型卓上試験機:テクスチャーアナライザ (EZ-SX)購入後、食品の再現性を検討するべく、計測班を(伊藤・鈴木・古賀・樽川)として、毎週定期的に研究ミーティングを開催して、現在使用されている標準試験食品(UHA味覚糖 咀嚼能力測定用グミゼリー)を用いて再現性のプレテストを実施して、機器の系統的誤差および、計測のランダム誤差を最小限にする検討を重ねている。また市井食品についても、平井の食品摂取表に基づき、いくつかの食品を選定し、計測を行なっている。得られた結果より基本統計の解析を行い、小型卓上試験機:テクスチャーアナライザ (EZ-SX)のプランジャー(食品の押し棒)の種類も影響を及ぼす可能性、被験食品の保存状態(温度管理等)と、試験時の室温および湿度管理等の課題が整理され、計測に関わる改良を加えている。音声分析については、飛沫の関係と、機器のリコールがあり今後実施を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品の硬さなどの再現性について検討を加え始めている。研究実績の概要についても記載をしている通り、妥当性が検証されている摂取可能食品アンケートに類型されている、第I郡からV群の食品の中から、プリン(第I群)・かまぼこ(第II群)・りんご(第III群)・らっきょう(第IV群)・生人参(第V群)の食品を選定して1辺1cmの直方体に整形した上で、室温(23度、常温)で計測を行なっている。計測は被験食品ごとに10回の測定を行い、平均値と標準偏差から、変動係数を算定して、再現性の評価を行なっている。また、歯科用標準食品(UHA味覚糖 咀嚼能力測定用グミゼリーおよびグルコセンサー用グルコラム(グルコース含有グミ))などをアクティブコントロールに位置付け、その再現性と、実際に咀嚼能力測定に使用している食品の高度の測定を行なっている。 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、機器の購入の延滞があり、機器の購入、手元への整備の遅れがあった。騒音計およびオスコープ(ソフト)が10月、小型卓上試験機:テクスチャーアナライザ (EZ-SX)が12月であったが、現在その遅れを取り戻すべく、実験を重ねている。 騒音計に関しては、機器電池に関する不具合が発生する事態が起こり、業者側からのリコールが来ている。また、咀嚼時に発生する、軽度の飛沫対策を講じる必要があり、当初の予定からは遅延している。この件については、直流電源での使用をすれば問題ないとのことであるが、機器の電源確保に伴う自由度の低下をいかに解消するか、また飛沫対策をいかに講じるかを検討する。 総じて、様々な要因で、出だしが遅れたものの現在概ね順調に進捗を見ていると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として、コロナ禍のなかでの研究推進策を再検討する必要がある。市井被験食品の選定については、現在までの進捗状況に記載した食品を中心に測定を重ねる。この検討はInVivoであることから、感染予防のレベルは低いものと考える。また、計測にあたっては、温度管理食品の品質管理に十分留意し、得られるデータの誤差が入らないよう注意が必要である。また、プランジャー(被験食品の押し棒)について、島津製作所からは様々な種別のものが用意されているが、最適な機器を見極めることを早期に行い研究を加速させたい。前述した通り、測定に関するスキルが向上してきていると評価しており、測定スピードをより一層向上させる予定である。また得られた結果については定期的な会議(河相・伊藤・鈴木・古賀・樽川)で確認して改善を検討する。 音声分析については、やや遅れがあるものの、今後は、被験食品の中から歯科用標準食品(UHA味覚糖 咀嚼能力測定用グミゼリーおよびグルコセンサー用グルコラム(グルコース含有グミ))を用いた、実際の人での咀嚼から、嚥下までの音声記録の収集方法の技術を上げていくと共に、得られたかデータの解析について川上と協議をしてく予定である。また飛沫対策として、被験者の周囲に専用のアクリル板等を製作して、設置。感染防御として種々の消毒を徹底することを検討する。 上記の双方についても、研究組織のコミュニケーションをとり、十分無計画のもとに実施、検証、改善を繰り返すPDCAサイクルを構築していく予定である。
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Causes of Carryover |
音声解析の実施が遅れ、測定がまだ行われていない。音声解析担当の川上に、音声データを届けることができなかったため、音声解析ソフトウエア等の購入を見送った。見送った理由として、ソフトウエアのバージョンアップが起こった場合に、新たな費用が必要なことと、オペレーティングシステムの変更が起こりうることもある。ソフトウエアの購入は、データが揃った時点で最新の物を購入する予定である。
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