2020 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会に寄与する新規医・工学融合型インプラント表面性状の構築と戦略的治療応用
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20K10082
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
武部 純 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50295995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 健介 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (00283408)
本田 雅規 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (70361623)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯科補綴学 / 細胞増殖 / 歯髄幹細胞 / 純チタン / 口腔インプラント / 表面処理 / 陽極酸化・水熱処理チタン / 傾斜機能型ナノハイブリッドチタンインプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度では、陽極酸化と水熱処理を併用した純チタンへの表面処理(SA処理)方法により製作した傾斜機能型ナノハイブリッドチタン(SA処理cpTi)の機能・特性を向上させることを目的として、その表面に各物質[タンパク質(アルブミン:Alb)、機能性ペプチド(リゾチーム:Lys、ミオグロビン:Mb)、高分子化合物(ポリエチレングリコール:PEG)]を吸着・固定して分析を実施した。未処理の純チタン(cpTi)、陽極酸化処理を施した純チタン(AO処理cpTi)、SA処理cpTiの各試料を製作後、各試料上にAlb、Lys、Mb、PEGの各物質を吸着・固定化し、in vitro実験系にてラット由来歯髄幹細胞(rDPSCs)を1-7日間培養して細胞増殖能を分析した。各試料表面上ではrDPSCs の増殖傾向を示したが、経日的にはcpTi、AO処理cpTi、SA処理cpTiの順にて高い傾向を示した。中でも、Albを吸着・固定化した場合においては、培養3日目の増殖能は各試料に共通して高い傾向を示した。当研究グループにおいて、各試料上にてAlbを滴下したぬれ性試験と表面自由エネルギー試験を実施した先行研究では、SA処理cpTi表面上でのぬれ性は超親水性を示し、表面自由エネルギーは高値を示したことから考察すると、今回の研究結果ではSA処理cpTiの表面性状が大きく関与していたと考えられる。すなわち、cpTiとAO処理cpTi表面性状とは異なり、SA処理cpTi表面はナノ構造で水酸基を有する陽極酸化皮膜上に六方晶系針状のハイドロキシアパタイト結晶を有しており、この特徴的な表面性状・形状がAlb吸着・固定化後の初期細胞増殖へ有利に機能していることが推察される。本研究に示す物資を吸着・固定化処理をSA処理cpTiに施すことは、SA処理cpTiの機能性を向上させるのには有利であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者らは、傾斜機能型ナノハイブリッドチタンインプラント表面性状の機能・特性をさらに向上させることを目的として、新規ハイブリッド型インプラントの開発を目指している。2020年度においては、研究分担者、研究班との連携にて当初予定の研究内容を進めることができた。2021年度では、試料数を増加させて候補となる物質を絞り込む研究に進む準備が整ったと考えている。また、2021年度では、形態学的分析の他、遺伝子発現解析を加える予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット由来歯髄幹細胞(rDPSCs)を用いて以下の研究を行う予定である。 新規ハイブリッド型インプラントの研究試料製作の継続、新規ハイブリッド型インプラント表面上でのrDPSCs増殖にともなう初期石灰化状態の形態学的分析、骨形成関連遺伝子発現マーカーの分析を実施していく予定である。さらに、予備実験として、動物実験を実施し、細胞移植モデル構築を予定している。
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Causes of Carryover |
2020年度の研究では、各実験試料(cpTi, AO処理cpTi, SA処理cpTi)表面上にタンパク質、機能性ペプチド、高分子材料の各物質を吸着させ、その表面性状に関する吸着実験と初期rDPSCs増殖能実験に関する検討を行った。その結果、アルブミン(Alb)の吸着が細胞増殖に適している傾向が確認でき、2020年度に予定していたデータを取得することができた。当初、2020年度内では各物質の吸着実験と増殖能実験の追加実験を予定していたが、目的とする結果が取得できたため、その分の使用額については、翌年度に実施予定として計画しているrDPSCsの細胞培養(rDPSCsの細胞分化能)実験と動物実験のための予備実験実施に充てることが可能となり、実験回数を増やすことが可能となった。したがって、翌年度への使用金額分は予備実験に使用する予定であり、使用計画上は問題はなく適切に執行していると考える。
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[Journal Article] Transplantation of human dental pulp stem cells ameliorates diabetic polyneuropathy in streptozotocin-induced diabetic nude mice: the role of angiogenic and neurotrophic factors.2020
Author(s)
Hata M, Omi M, Kobayashi Y, Nakamura N, Miyabe M, Ito M, Makino E, Kanada S, Saiki T, Ohno T, Imanishi Y, Himeno T, Kamiya H, Nakamura J, Ozawa S, Miyazawa K, Kurita K, Goto S, Takebe J, Matsubara T, Naruse K
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Journal Title
Stem Cell Res Ther
Volume: 11
Pages: 236-247
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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